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DJ YANATAKE Eminem『Campaign Speech』を語る

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DJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でエミネムの新曲『Campaign Speech』についてトーク。曲中で出てくる人物名の解説などをしつつ、紹介していました。


(DJ YANATAKE)というわけで、前田敦子ちゃんと共演したTJOが帰ろうとしていますけども、今日の1曲目に行ってみたいと思います。……前田敦子と共演ですよ? いいですよね。はい。まあ、そんな話も置いておきつつ、ヒップホップの最新情報にいってみたいと思うんですが、先週の水曜日、結構サプライズ的にリリースされたんですけども。10月19日にエミネム(Eminem)が新曲を発表しました。と、言っても新曲、一応iTunes売っているんで正式な新曲なんですけども。内容は結構フリースタイルみたいな感じで、曲も8分近く……7分48秒もある超大作の曲なんですけども。タイトルは『Campaign Speech』。まあ、エミネムって割りかしこういう大統領選とか近づくと、結構そういう内容の曲を出したりして。以前も『Mosh』っていうアニメのビデオ、ありましたよね。ブッシュ大統領を批判したりしたようなビデオがありましたけども。

Eminem『Mosh』



そういうタイミングなんで、まあ今回もそういう内容なのかな? というところで、アメリカ大統領選ね、いま佳境な中なんで。実際にドナルド・トランプ氏をすごい痛烈に批判しているラインがあったりして、そのことがクローズアップされたりして。結構日本の音楽サイトなんかでもそのことを話題で取り上げられて、「エミネムがトランプ氏を批判した新曲を発表!」なんていう報道をされているんですが……まあ、そういう部分もあるんでもちろん間違いではないんですけども、この曲ね、あまりにもそういう報道だけだったんで、それだけじゃないよっていうのを今日、説明したいなと思うんですけども。

まあ、時事ネタとか、割りかしエミネム自身に関係ある人とか、そういう人を次々にネームドロップしながらラップしている曲になっております。雰囲気で言うと、先日のカニエ・ウェスト(Kanye West)の『Famous』みたいな。あのミュージックビデオにいろんな有名人が出てくるみたいな感じで捉えてもらったらいいんじゃないかなと思うんですけども。

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なんと、この曲でネームドロップ、名前をあげられている人は全部で22人います。というわけで、22人全部をどういう人かって紹介するのにはちょっと時間がないので。おそらくこのへんは(渡辺)志保さんが『Woofin’』あたりで書くんじゃないかと予想をしておりますけども。今日はその中から、いくつか紹介させていただきたいと思います。まず、2012年にフロリダ州で警官に射殺されてしまったトレイボン・マーティン(Trayvon Martin)さんの事件がありました。この番組でも何度も出てきていますけども、そのトレイボン・マーティンさんの名前も出てくるし、それを射殺した警察官ジョージ・ジマーマン(George Zimmerman)さんに対しても実名でかなりエグい内容で糾弾しています。

あと、アメリカンフットボールのNFLのサンフランシスコ49ersに所属しているコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)選手という方がいます。彼が今年の8月26日に行われたプレシーズンマッチで、試合前の国歌斉唱でベンチに座ったまま、立ち上がらず。起立して歌うことを拒否したんですね。国歌を歌う時に立ち上がらなかったと。で、これは「黒人や有色人種への差別がまかり通る国には経緯は払えない」という理由で、人種差別への抗議であるということで、立ち上がらなかったりして。その後の試合でも、また同じような場面で今度はひざまずいたまま国歌斉唱したり。まあ、そういうことをしているのに触れたりですね。

My Brother! United as One! @e_reid35

colin kaepernickさん(@kaepernick7)が投稿した写真 –


さっきのトレイボン・マーティン事件も同様なんですけども。次々、いま起こっている同様のそういった警察官からの暴力なんかに対する抗議の意味も含めてということなんですけども。そのコリン選手が豚の顔をした警察官の絵が書かれた靴下を練習中に履いていたことがあるそうです。で、サイプレス・ヒル(Cypress Hill)のファーストアルバムの1曲目にもありますけども、『Pigs』。豚ですね。これ、警察官を揶揄する時のストリートスラングなんですけども。まあ、エミネムはそのことにも触れていたりですね。


あと、ディスっているだけじゃなくて、亡くなったプリンス(Prince)にも触れていたり。プリンスはすごい洋服にすごいこだわっていたことでも有名ですけども。自分のラップのヤバさを「プリンスが洋服にこだわっていた以上に、俺もラップにこだわっているぜ!」みたいな。そういうスワッグのラインがあったりとか。あと、シンガーのロビン・シック(Robin Thicke)はですね、奥様との離婚問題をからかわれていたり。

あと、この番組でもよく話題になっておりますけども、Netflix。インターネットで月1000円とかでいろんな海外ドラマとか映画とか見放題みたいなね。そのNetflixでも放送中の海外ドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』っていうドラマがあるんですけど、その主人公のパイパー・チャップマン(Piper Chapmans)っていう役があるんですけど。その人はバイ・セクシャルの役柄で。

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いま、LGBTっていうんですかね? そういった話題に触れたことになるんでしょうか。エミネムはこれまでにも歌詞にゲイを差別したとされるような箇所があるリリックがあって、すごい批判を受けたり。「自分はホモセクシャルだ」とかね、嘘の発言をしたり。まあ、カミングアウトをしているエルトン・ジョン(Elton John)さんと共演して話題を集めたりしていて。この手のネタはね、いまアメリカ非常に敏感な感じがするんですけども。

まあ、トランプ氏への最初の発言もそうなんですけども、でもこれはプロモーションかなと。実際に「アルバムをいま作っているぜ!」っていうツイートとともにこの曲を発表したということで、やり方はすごい上手いなと。まあ、ディベートが上手い人とかって結構そうなんですけど、最初にわざとね、ガッとキツめのことを言ってハッとさせて注目を集めるみたいなやり方、エミネムはすごい上手なんじゃないかなと思います。他にも、まあ22人いますので、たくさん説明したい人もいると思うんですけども……Rap Geniusで本人が解説していたりするんで、がんばって辞書なんか引きながらとか。


あと、出てくる名前、どんな人が出てくるか?っていうのはすぐにわかると思うんで。その人たちがどういう人たちか?っていうのを調べるだけでも、このエミネムの新曲、どんな内容かわかるんじゃないかな? というのが面白いところだと思います。というわけで、今日の1曲目を聞いてみたいと思います。エミネムで『Campaign Speech』。

Eminem『Campaign Speech』



はい。聞いていただきましたのはエミネムの『Campaign Speech』でした。7分48秒あるんで、興味ある人はYouTubeとかにもアップされているのかな? iTunesとかでも買ったりできますので、チェックしてください。

<書き起こしおわり>

星野源 『逃げ恥』恋ダンス撮影現場の模様を語る

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星野源さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』のエンディングで流れる恋ダンスについてトーク。ダンス撮影時の現場の模様などを話していました。



(星野源)さあ、先週いろんなことがありましたね。『逃げるは恥だが役に立つ』、第二話が放送されましたけども。第三話が今日、火曜日夜10時からまた放送されます。ぜひ、みなさん見てください。二話、いかがだったでしょうか? 本当にね、巷で『逃げ恥』ブーム、ものすごいですね。本当にありがたいです。ありがとうございます。そして『逃げ恥』ブーム&恋ダンス、すごいねえ。いやー、まあたしかに恋ダンスをね、エンディングで踊るんです。星野源の『恋』という曲が主題歌でして。そのミュージックビデオで踊っていたダンス。僕とか、MIKIKOさん率いるELEVENPLAYのみなさんが踊ってくれて。

星野源『恋』



で、ELEVENPLAYのみなさんは『SUN』でも踊ってくれていますね。



あと、『Yellow Voyage』っていう僕のツアーでも一緒にアリーナでは踊ってもらっていました。で、その踊りをエンディングでもやりたいということで。ドラマのエンディングでもやることになりまして。で、もともと「エンディングで踊りたい」っていう話は聞いていたんですよ。で、すごくいいなと思って。エンディングで踊るのとか僕、大好きなんですよ。ミュージカルが好きだっていうのもあって。なので、そういう踊りたくなるとか、まあもともと自分がダンスミュージックの曲を作りたいなと思って『恋』を作ったんですけど、なおさら。もうエンディングで踊るとなればなおさら、みたいな。

で、まだ踊るかはわからないんだけども、もしできたらやりたいみたいな。で、ミュージックビデオでも、もちろん踊りはもともと入れようと思っていたので。で、それを、また違う振りにするのかな? と思ったら、もうほぼ一緒の振りをやることになり。で、僕とか新垣結衣ちゃんがセンターで。他の出演者のみなさんも一緒に踊るということで、みんなでがんばって振りを覚えてっていうことだったんですけど。でも、なんかやっぱりね、撮っている時から「あっ、これはなんかすごく広まるかもしれない」というような、すごく楽しい現場だったんですよ。



で、あの演出は那須田さんっていうプロデューサーの方がやっていて。で、もうその思い入れがすごくて。ドラマ自体にも思い入れがすごいですし、エンディングで踊りたい!っていう思い入れが那須田さん、すごくて。で、そういうのもあって、これがまたすごくいろんな方が踊ってくれたり。リスナーの方もいるかもしれないけども、SNSに上げてくれたり。すごく、こういう広まり方はうれしいですね。で、『真田丸』にこの間撮影に……まだ、僕は撮影が微妙に続いているんですけども。『真田丸』に行ったらスタッフさんがみんな覚えているのよ。「すっごいな!」と思って。で、「いま、やってるんです。練習してるんです。教えてください!」って僕も鎧を着たまま一生懸命教えたりとかして。ガッシャンガッシャンとかいいながら(笑)。

まあ、うれしいですよね。だからもう、なんか本当にドラマ自体の内容もすごく、本当に僕もいろんな方からメールをもらったりとか。それこそ、また『真田丸』の現場でも役者さんから「見ているよ! 面白いね!」って言っていただいたりとか。すごく、うれしいですね。本当にうれしいです。で、三話以降もすごく面白いと思います。いま、撮影も快調で、ぜひ見ていただきたいと思っております。

で、最近面白いのが結衣ちゃんのスタイリストさん、衣装さんでアンちゃんっていう女の子がいるんですけど。その子がすごく面白くて。もともと、メイクさんがいるんですけど、メイクさんが間違えてね、僕の『恋』という曲で「指のまざり 頬の香り♪」っていう歌詞があるんですけど、それを間違えて「指の香り♪」って歌って(笑)。それが面白いねってなって、それにアンちゃんが振りをつけたんですよ。その振りがなんか……「頬の香り」の振りがほっぺたから顎にかけてクイッて手の甲を、下を通らせる振りなんです。MIKIKO先生がつけてくれた。その動きに似た感じで、指を2本くっつけて。(ピッコロ大魔王の)魔貫光殺砲みたいな。ビーッ!って。あの感じ(笑)。あの感じを鼻のもとに持ってきて、「指の香り♪」ってやる……(笑)。

すごい、これなんて言えばいいんだろうね? ちょび髭を表現する時に縦に指をやるのを横にやって、「指の香り♪」ってすごい、体ごと右にスライドさせながらやる踊りを現場でやって、みんなで爆笑するというですね(笑)。あの振り、面白いんだよな。アンちゃん。アンちゃん、本当面白いのよ(笑)。で、その現場もなんですけど、もうずっと笑っているの。みんな。スタッフさんも、出演者も。そういう冗談とかをずーっと言っていて。みんなで。


こんなにずっと笑っている現場、俺、初めてで。で、またラブコメディーなので、それがまた画面に出るんですよね。そのスタッフさんとか出演者が楽しんで撮っているっていうのが画面に伝わるっていうか。それが本当に。で、今日も朝、撮ってきたんですけど。今日もなんかずっと爆笑していたんだよな。うん。非常に楽しい、本当に幸せな現場です。参加できて本当にうれしいです。

<書き起こしおわり>
※この放送の模様はradikoタイムフリー機能でお聞きになれます!(1週間限定)

星野源 芸人・恵俊彰を語る

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星野源さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』のプロモーションで恵俊彰さんの番組『ひるおび!』に出演した際の話をしていました。


(星野源)で、その宣伝で『逃げるは恥だが役に立つ』の電波ジャックっていうのを1日、したんですね。で、初回放送日にTBSのニュース番組に全部出るみたいな。それをやっていった時に、恵俊彰さんの番組に出させていただいてね。(新垣)結衣ちゃんと2人で、その電波ジャックの時に告知をするわけですけども、僕、中学生の時に岸谷五朗さんの『東京RADIO CLUB』っていうのをずっと聞いていて。そこに恵俊彰さんがよくゲストで出られていて。ホンジャマカの恵さんとして出られていて。で、僕、いまでも覚えているのは、その番組の終わりごろぐらいに当時バカルディの三村さん……まだ、たしかさまぁ~ずじゃなかったと思うんですけど。『大石恵三』っていう番組があったの、覚えている?(笑)。ホンジャマカとバカルディの番組があったんですよ。

恵俊彰のラジオをずっと聞いていた

で、なんかそれの関連もあって。でも、いわゆるさまぁ~ずとしてバーン!ってブレイクする前に、バカルディさんがちょっと人気がなくなった時期があって。その頃に三村さんを恵さんが呼んできて。そこでいわゆる「○○かよ!」っていう三村ツッコミが流行ったんですよ。だからテレビで流行る前に実はそのラジオで流行っていたのを僕、リアルタイムで聞いていて。それがその後、テレビでまた流行って、さまぁ~ずさんになってまたドンッて売れていくのを見ていたりとかして。で、そのラジオがすごく楽しかったんです。その『東京RADIO CLUB』の後に、『UP’S(アップス)』っていうシリーズがあったんですよ。深夜枠で。『UP’S』っていう、いろんな方がやる。で、コサキンのお二人もやっていたんですけど、その枠があって。

『UP’S』はいまは『JUNK』か。まあ、違う局の話をめちゃめちゃしてますけども……(笑)。その『恵俊彰のメグミーランド』っていうのがあって。で、俺、初めて恵さんにその時、お会いして。で、大抵ね、そういうニュース番組って、ニュース番組ですから快く迎えていただけるんですが、そんなにトークはやっぱりしないわけですよ。始まる前には。「よろしくお願いします」ぐらいの感じで。そしたら恵さんが「『逃げ恥』の一話、見ましたよ。すごく面白かった」って言ってくださって。「ありがとうございます」って。「あっ、この流れなら言える」と思って「僕、恵さんのラジオ、ずっと聞いていたんですよ」っつったら、「あっ、本当に!? 岸谷くんの?」みたいな、そういう話をして。「ああ、そうなんです! メグミーランドも聞いてました!」「ありがとう!」なんて話をして。

で、テレビでよく恵さんって「芸人なのにニュースをちゃんとやって……」みたいないじられ方をよくされていて。この間のダウンタウンさんの飲むやつ……『ダウンタウンなう』のハシゴ酒の時もいじられてましたけども。その僕がニュース番組にお邪魔した時に言っていたんですよ。その『逃げ恥』の一話の感想のまず第一声が僕の津崎という役の家に家事代行で(新垣結衣さんが)まず初日に来た時のことなんですけども、初日に来た時に……「なんかね、あんなノースリーブで。ノースリーブで来られたら、そんな、ねえ」っていう話をされたんですよ(笑)。で、「どういうことだろう? ノースリーブ?」って思って。そしたら、その後に(新垣結衣さんが)ベランダで網戸を掃除して外を見て、うーん!って伸びをするシーンで脇が全部見えるんです。で、「あんなに脇が見える服を来てこられたら、僕も好きになっちゃうよね」みたいな話をされていて。「あっ! この人は芸人だ!」って思ったんですよ。やっぱり、着眼点が他の感想を言う人と全然違くて。「そこ!?」みたいな。

だから「恵さんの芸人の火は全く消えていない」と思ったっていうのはなんかちょっとうれしかったし。そのハシゴ酒を見た時も、「ああ、この人はやっぱり芸人なんだな」ってすごく思いましたね。そんな感じで『逃げ恥』、本当に本当にスタッフのみなさんも出演者のみんなも、本当に大切な作品だなっていうのをヒシヒシと感じながらやっていますので。僕も含め、やっていると思いますので。僕は完全にそうなんですけども。たくさんの人に見ていただきたいと思います。よろしくお願いします。

星野源 『逃げ恥』恋ダンス撮影現場の模様を語る
星野源さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』のエンディングで流れる恋ダンスについてトーク。ダンス撮影時の現場の模様などを話していま...

(中略)

(投稿メールを読む)「『大石恵三』、覚えています。現在アラフォーの私、小学生だった記憶が。源さんも小学生? ラジオだけでなく、テレビっ子ですね。パーソンズの『Saturday in the park』がエンディングで流れていたような気がいします。三村さんの『○○かよ!』ツッコミが後々、岡村さんのオールナイトニッポンでコーナーになりましたよね。ラジオマニアの星野さんだからきっと知っているはず……」。そうなんですよね。そうそう。だから、恵さんのラジオでまず流行って、そこから岡村さんのコーナーになったということなんですよね。「……懐かしくなってついメールしてしまいました」ということで、ありがとうございます!

そうなんだよね。だから、そのラジオから流行ってそれがまた全国区になるみたいなこと、ありましたよね。ありがとうございます。

<書き起こしおわり>
※この放送の模様はradikoタイムフリー機能でお聞きになれます!(1週間限定)

堀込泰行 ヨレヨレになったトランクスの魅力を語る

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堀込泰行さんがTBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』にゲスト出演。物を大切にする堀込さんが物を長く使うコツやヨレヨレになったトランクスの良さなどについて話していました。


(井上貴博)さて、時刻は12時38分です。ここからは生活の知恵を授かる『スーさん、これいいよ』のコーナーに移ります。ゲストは元キリンジでシンガーソングライターの堀込泰行さんです。堀込さん、お願いします。

(堀込泰行)スーさん、トランクスはヨレヨレになっても履き続けるといいよ!

(CM明け)

(井上貴博)ここからは生活の知恵を授かる『スーさん、これいいよ』のコーナー。本日のゲストは元キリンジのシンガーソングライター、堀込泰行さんです。よろしくお願いします。

(堀込泰行)よろしくお願いします。

(ジェーン・スー)よろしくお願いします。

(井上貴博)堀込泰行さんと言えば、1997年にお兄さんの高樹さんとキリンジとしてCDデビューされてています。2013年にキリンジを脱退。ソロアーティストとして活動を開始。2014年11月にソロデビューシングル『ブランニュー・ソング』をリリース。今年の4月には洋楽のカバーアルバム『“CHOICE” BY 堀込泰行』を。そして先週水曜日、待望のオリジナルニューアルバム『One』を発売されました。

(ジェーン・スー)はい。というわけで発売、おめでとうございます。

(堀込泰行)ありがとうございます。

(ジェーン・スー)おかえりなさいませ。

(堀込泰行)そうですね。だいぶ、時間が立っちゃいましたけども。ようやく出すことができました。

(ジェーン・スー)もちろん、その間もずっと活動はされたりして。私たちもCMで堀込さんの声を聞けば、「あっ、いる!」みたいな。「生きてる!」っていう(笑)。生存確認をそういうところでさせていただいていたんですけども。

(堀込泰行)(笑)。まあ、そうですね。ちょいちょい活動はしていたんですけど。まあ、SNSの類を全くやっていたなかったので。自分発信というのをいまいちしていなかったので、まあ、やっぱりね、「なにやってんだ、あいつは?」みたいなイメージはついたと思います。

堀込泰行が語る キリンジ脱退後にしていたこと
元キリンジの堀込泰行さんがTBSラジオ『MUSIC 24/7 西寺郷太TAMAGO RADIO』に出演。キリンジ脱退後の近況などを語っていました。 2013年 ソロ転向 ...

(ジェーン・スー)いやいやいや(笑)。まあ、そんな中、「なにをやっているのか?」とファンの方がやきもきしている私も1人ということもあり、スタッフも堀込さんファンばかりなので、なんとこの番組にもご縁がありましてというか、かなり無理矢理お願いをさせていただいて、番組のジングルを作っていただきまして。ありがとうございます。

(堀込泰行)ありがとうございます。

(ジェーン・スー)ちょっと、なかなかない機会なんで、ご本人と一緒にちょっと聞いてみましょか。

『生活は踊る』ジングル・堀込泰行バージョン

(生活は踊るジングル・堀込泰行バージョンが流れる)

(ジェーン・スー)この(ジングルの終わりにつく)「TBSラジオ」はなぜ?

(堀込泰行)これは、いや……

(ジェーン・スー)(オーダーに)書いてありました?

(堀込泰行)書いてありましたよ。

(ジェーン・スー)じゃあ、それだったんですね(笑)。

(堀込泰行)いや、「俺でいいのかな?」って思いながら、まあ一応「TBSラジオ」と言って。まあ、それなりに良かれと思ったバージョンを選んだんですよ。

(ジェーン・スー)(笑)。私たち、これを聞いて、「あ、いいな。ハミングがこうあって。いいなー」と思って……で、最後に「……TBSラジオ」って言われて(笑)。まあでも、うちが原稿を出しているんでしょうね。

(堀込泰行)そうですね。普通はアナウンサーの人の声が。いい声がいちばん入りそうな……

(ジェーン・スー)いや、これが好きで。私たち、執拗にこれをかけてますからね。

(堀込泰行)ああ、そうなんですか(笑)。

(ジェーン・スー)そうなんですよ。

(井上貴博)これ、どういうイメージで作っていかれたんですか?

(堀込泰行)ええと、まず「アコギの弾き語り」っていうリクエストがあって。あとは、いくつかアーティストの名前が羅列してあったので、なんとなくでも、それを考えつつ……まあでも、普通にやるとこういう風になるかな? みたいな。自分が普通に作ると。

(井上貴博)どのぐらい時間をかけられたんですか?

(堀込泰行)割とでも、こういうのは僕、早かったりするんですよ。お題を与えられると。

(ジェーン・スー)おおー、なるほど。そうなんですね。

(堀込泰行)なんか、うん。1日、2日でポロポロッと作ってみて。2日ぐらいかな? で、弾き直して。とりあえずこの状態でプレゼンしてみて、「なんか問題があったら直しましょう」みたいな感じで提出してみたら気に入っていただけたんで。

(ジェーン・スー)なるほど。いまたくさん、メールも今日いただいてまして。(メールを読む)「スーさん、泰行さん、こんにちは。『One』、毎日聞いています。朝は気分が上がるし、夕方はホッとできて通勤時にもぴったりです……」。

(堀込泰行)ありがとうございます。

(ジェーン・スー)そうなんですよ。意外とね、私は『One』をイヤホン聴きをおすすめします。イヤホンで聴くのと、普通に聴くのと。街にいてイヤホンで聴くのが私はいちばんしっくり来ました。

(堀込泰行)ああー、なるほど。

(ジェーン・スー)(メールを読む)「……さっそくですが、泰行さんに質問です。ファンからのプレゼントでうれしかったもの、困ったものはなんですか?」という。

(堀込泰行)うれしかったものは、なんでしょうね? なんだろう。いろいろ……まあまあ、お酒とかはね、ありがたいなと思うんですよね。自分では買わないような……

(ジェーン・スー)そのことが心配でしょうがないんですよ! お酒、2ヶ月禁酒して作られたっていうことですけども。いまは大丈夫ですか?

(堀込泰行)いまはね、まあちょっと解禁シーズンに入ってしまいましたね。

(ジェーン・スー)あの、γGTPの数値とかを尋ねたい気持ちがいっぱいなんですけども。数値は大丈夫ですか?

(堀込泰行)結構ね、それがね、一昨年ぐらいに人間ドックに入ったら、大丈夫だったんですよ。

(ジェーン・スー)あ、じゃあまだ……

(堀込泰行)で、「ちょっと控えられた方がいいですね」ぐらいに言われるぐらいの……

(井上貴博)ちょっとお医者さんが気を使っている感じの(笑)。

(ジェーン・スー)「言われてるんじゃないかよ!」っていう(笑)。

(堀込泰行)いやいや、でもね、ほんのちょっと基準値オーバーぐらいだったんで。

(ジェーン・スー)すごい不安になっていたんですけども。じゃあ、お酒なんかはうれしいということで?

(堀込泰行)うれしいですけど、「あんまり与えないでほしい」という気持ちもあります(笑)。

(ジェーン・スー)ああ、なるほど。たしかにね。そりゃそうだ。で、なんでこの方はその質問をしているかっていうと、「……泰行さんは壊れたりしないと物を捨てられないと聞いていますので、『もらったけど困ったな』というものがあるんじゃないかな?」ということで、まさに今日のテーマにつながっていくんですけども。

(井上貴博)CMの前、びっくりしましたが、今日の堀込さんが持ち込んでいただいた生活情報を、もう一度お願いできますか?

(堀込泰行)はい。トランクスは、ヨレヨレになってからが使い時。

(ジェーン・スー)なんの川柳かと思ったんですけども(笑)。その心は?

トランクスは、ヨレヨレになってからが使い時

(堀込泰行)これはですね、やっぱり新品だったりすると、腰のところのゴムもしっかりしてますし。なんでしょう? 出かける時にピチッとね、気合を入れるためにはいいんですよね。「さあ、今日も仕事だ!」みたいな。とか、「お気に入りのトランクスを履いていくぞ」っていう時は、やっぱり新品だったりピシッとしたものの方がいいと思うんですけども。夜、寝る時とか、あとは旅先で僕、ガウンみたいなのを羽織らないんですよ。一応、自分のゆるゆるのパジャマみたいなのを持って行って、その下に履く時のパンツとしてはそのヨレヨレのトランクスがすごくいいんですよね。

(ジェーン・スー)やっぱり圧迫感とか拘束感というものがあんまり得意ではないということなんですかね?

(堀込泰行)そうですね。なんか、まあ1回気になっちゃうと、「なんかキツいな。ゴムのところが新品って嫌だな」みたいな。

(ジェーン・スー)以前、お兄さんもこちらの番組に出られた時にですね、「Tシャツのタグがすごく嫌だ」っておっしゃっていたんですけど。お二人とも、お姫様みたいですね。布団の何枚も下にある豆が気になる、みたいな。

(堀込泰行)(笑)

(ジェーン・スー)結構肌に直接触れるところのなにかが気になるんですね。

(堀込泰行)そうですね。だから、「もう捨てればいいのに」みたいな感じに思うんですけど。なんか、使いようというか。快眠のために、いいですよ。で、なんだったら旅先で捨てていってもいいし。

(ジェーン・スー)ああ、なるほど、なるほど。

(堀込泰行)全然惜しくないですから。

(ジェーン・スー)自転車も25年乗られているということで。

(堀込泰行)ああ、そうなんですよ。19かハタチの時に買ったんで。

(井上貴博)壊れることもなく?

(堀込泰行)何回か壊れました。

(ジェーン・スー)長く使い続けるコツってなんか、あるんですかね?

(堀込泰行)一応ね、壊れたら直すっていう……

(ジェーン・スー)普通!(笑)。

(堀込泰行)普通なんですけども。

(ジェーン・スー)「壊れたら直す」。生活情報。

(堀込泰行)そうですね。バカ丁寧に扱っているわけじゃないんですよ。

(ジェーン・スー)ああ、なるほど。ただ、壊れたら捨てるんじゃなくて、壊れたら直すと。

(堀込泰行)そうですね。

(ジェーン・スー)あの、生活情報の話でこれ以上困らせても何なので、せっかくなのでアルバムのお話を聞かせていただきたいんですけども。ソロになりまして。単刀直入に聞かせていただきたいんですけども。「歌の印象が変わった」という方が結構いると思うんですが。ご自身としても、そこは意識されたりしたんですか?

(堀込泰行)結構ね、曲調によって歌い方を変えたりはするようにしましたね。

(ジェーン・スー)あの、マイクとかって変えられる方ですか?

(堀込泰行)マイクはね、いままでと同じ。ロクナナっていう種類のマイクを使っているんですけども。キリンジの後半ぐらいから、曲調によっては歌い方を変えた方がハマるな、みたいなことがあって。そういうことをちょこちょこやり出したんですけども。で、今回のアルバムもそういうことをやってはいますね。あとは、エンジニアがちょっと声を硬めにセッティングしているっていうか。は、あると思いますね。

(ジェーン・スー)いろいろと、それこそどこで聴くのがいちばんかな?って、街で聴いたりとかいろいろしていたんですけど。ブレスが結構しっかり残っていたりとか。あと、声の処理。レコーディングのトラックダウンとかミックスの時にたぶんちょっと違う感じにしているんだろうなっていう……

(堀込泰行)うーん。それはね、なんかありましたね。

(ジェーン・スー)だからそこが新しいなと思って。ソロっていう……馬の骨っていうソロのやっていた時期もありましたけど、それともまた違う。「広い間口」っていうのを今回、いろんなところでおっしゃっていますもんね。

(堀込泰行)ああ、そうですね。

(ジェーン・スー)それを感じられました。

(堀込泰行)そうですね。とにかく、サウンドなんかに関してもホーンセクションをいっぱい使ったりとかして。いつもだったらちょっと控えめなアレンジで聴かせるみたいな方向でものを作るんですけども、今回はちょっと盛ってっていうとアレですけども。サービス精神をそのまま出して作るっていうことは心がけましたね。

(ジェーン・スー)珍しく向こうから近寄ってくれた感っていうのが、ファンとしては(笑)。そろそろじゃあ、曲を聞かないとですね。それでは、アルバムから1曲お届けいたしましょう。先週発売されたばかりでございます。まさにこれが決意の曲かな? と私は受け取って聞かせていただきました。ニューアルバム『One』から『New Day』、聞いてください。



(ジェーン・スー)お送りしたのが堀込泰行さんのニューアルバム『One』から『New Day』でした。

(井上貴博)スーさんがこのアルバムの中でいちばん好きな曲はなんですか?

(ジェーン・スー)私、これがやっぱりいちばん好きですね。あと、インストの『Buffalo』も。

(堀込泰行)ありがとうございます。

(井上貴博)私、2曲目の『Shiny』がいいな。

(ジェーン・スー)ああー、なるほどね。「ああ、『Shiny』派ね!」みたいな(笑)。本人がいなくなったら話そう(笑)。

(堀込泰行)(笑)

(井上貴博)ちなみにニューアルバムは絶賛発売中でございます。そして、ライブも控えてらっしゃる。12月12日(月)は東京のTSUTAYA O-EASTで。14日(水)は今度、大阪UMEDA AKASOでワンマンライブを開催されます。で、インストアライブで全国を回るのが今週末から。加えて、来年の春には全国ツアーも予定されていると。

(ジェーン・スー)おっ!

(井上貴博)目白押しですね。

(堀込泰行)もう、なんかあっという間に年末年始。来年に突入してしまいそうな感じですね。

(ジェーン・スー)忙しくなりそうですが、ぜひお体に気をつけてください。

(堀込泰行)はい。そうですね。

(ジェーン・スー)いやー、メールもたくさん届いているんで。後で番組終わりにぜひ、目を通していってください。

(堀込泰行)読まさせていただきます。

(ジェーン・スー)というわけで今日は……あー、緊張した! みなさん、アルバム『One』、買ってね!

(堀込泰行)(笑)

(ジェーン・スー)アーティストが言いづらいことを全部私が。アルバム、いいから買ってね!

(堀込泰行)よろしくお願いします。

(ジェーン・スー)というわけで今日は堀込泰行さんに来ていただきました。ありがとうございました。

(井上貴博)ありがとうございました。

(堀込泰行)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

町山智浩『最も危険なアメリカ映画』『さらば白人国家アメリカ』を語る

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町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でご自身の著書『最も危険なアメリカ映画』と『さらば白人国家アメリカ』について紹介していました。



(町山智浩)今週はですね、本が2冊出るんですよ。僕。

(赤江珠緒)そうですよね。立て続けに。

(町山智浩)で、同じ週に本が2作出るって……売れないですよね(笑)。

(赤江珠緒)いやいやいや! でもね、ちょうど丸善・ジュンク堂さんと『たまむすび』がコラボさせていただいてますから。町山さんのご著書もいろいろと並んでいますよ。

(町山智浩)あ、そうなんですか?

(山里亮太)いま、『たまむすび』コーナーっていうのを設けてくれて、そこに関わっている人たちの本を特別に。棚を設けてくれて。

(町山智浩)あ、じゃあよかったのかな?

(赤江珠緒)ドンピシャです。町山さん。

(町山智浩)僕ね、同じ週に出ると、僕の本を読んでくれている人が買う時に出費が多くなるから、互いに相殺しあって売れないんじゃないか? と思って。失敗したなと思っていたんですよ。

(赤江珠緒)(笑)

(山里亮太)いや、でもこれまた全然違ったテーマじゃないですか。

(町山智浩)そうなんです。なんで同じ週に2つ、本が出ることになったかっていうと、実はこれ、入稿……原稿を全部入れるのが間に1ヶ月空いているんですけど。1冊の方は原稿を入れてから2ヶ月半もかかっているんですよ。本ができるまで。

(山里亮太)へっ? なんでなんですか?

(町山智浩)いやー、なんか遅いんですね。それで、ぶつかって同じ週に出ることになっちゃったんですけど。

(赤江珠緒)そうだったんですか。

(町山智浩)そう。だからね、ちょっとすいません。宣伝させてください(笑)。ヤバいので。

(赤江珠緒)ぜひぜひ。興味深い本になっていますよ。

(山里亮太)ちょっと危険よ、かなり。

(町山智浩)あ、届いてます?

(赤江珠緒)届いてますよ。表紙を見ただけで、なんか「あらっ?」っていう感じですもん。

(山里亮太)すっごい刺激的なタイトル。

(町山智浩)2冊ありまして。1冊は『最も危険なアメリカ映画』といういタイトルなんですが。これが、10月26日。

(赤江珠緒)明日発売。集英社から。

(町山智浩)明日発売の本なんですけど。表紙がまあ、こういう表紙で。

(山里亮太)黒いバックに三角のかぶりもの……

『最も危険なアメリカ映画』


(町山智浩)なんだか、わかりますよね?

(赤江珠緒)わかります。KKKですか?

(町山智浩)そうです。KKKなんですよ。アメリカの南部で黒人の人たちをリンチしたりしていた白人至上主義グループが表紙になっているんですけども。これは、KKKは昔からずっと続いているものではなくて。まず最初に南北戦争で南部が負けた後に、黒人がそれまで奴隷だったのが解放されて、選挙権を持ったんですよ。で、投票に行って、黒人の議員とかが出たわけですけども。最初に。で、その時に黒人が投票をしないようにっていうことで、投票をしに行く黒人をリンチしていたのがそのKKKなんですね。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)南北戦争の終わったすぐ後なんですよ。ところが、その後結局南部の方では法律で黒人が投票をできなくしちゃったので。KKKは必要なくなって存在しなくなったんですよ。

(山里亮太)あ、そもそもそうなんだ。ふんふん。

(町山智浩)ところが、それが1920年代にものすごい勢いで復活して再生したんですよね。実はそれはなぜかと言うと、1本の映画が大ヒットしたために、存在しなかったKKKがもう1回生まれてしまったんですよ。

(赤江珠緒)もう1回生まれてしまった?

(町山智浩)もう存在しなかったのに。それが、『國民の創生』という映画なんですね。これが1915年に公開されて、アメリカで大ヒットして。これはどういう映画か? と言いますと、アメリカ映画ってそれまではほとんどが30分とか15分とか、ものすごく短くて。で、お話もちゃんとしていなくて。たとえば、日本だったらたとえば『大化の改新』っていう映画があるとするじゃないですか。そうすると、蘇我入鹿を暗殺するその場面だけが描かれて、それでお終いとか、そういう映画だったんですよ。昔の映画って。

(赤江珠緒)ふんふん。

(町山智浩)もう短くて、話もちゃんとしていなくて。ただ、この場面を見せますよっていうだけのものがほとんどだったんですけども。あとはお笑いで、ひとつのコントとかね。ところが、この『國民の創生』っていう映画は初めてちゃんとしたドラマがあって。しかも、3時間もあるんですよ。で、それまでの映画は英語ができない人のための娯楽だったんですね。映画を見る人っていうのは、アメリカではバカにされていたんですよ。

(赤江珠緒)そうだったんですか。最初は。

(町山智浩)「あいつ、映画を見に行くっていうことは英語ができないんだな。移民なんだな」って思われていたんですよ。ところが、この『國民の創生』っていうものから芸術として、お芝居とかオペラとかそういったものと同じように扱われるようになったんですね。クラシックミュージックとか。それぐらいちゃんとした映画だったんですが、内容は「南北戦争が終わった後、KKKが出て黒人の人権を弾圧しました。よかったですね。めでたし、めでたし」っていう内容なんですよ。

(山里亮太)ええーっ?

(赤江珠緒)内容が、それ?

(町山智浩)内容がそれなんですよ。完全に。で、「白人が黒人の奴隷を開放するために戦ったのは間違いでした。我々は最初から南部と北部で仲良くすべきでした」という内容なんですよ。で、もう完全にその白人バンザイ映画になっていて、しかもKKKが正義の味方の集団として描かれているので。で、この『國民の創生』っていう映画が大ヒットしたんで、それに感化されたお調子者たちがKKKを再結成して、まあリンチをしまくったんですね。実際に。

(山里亮太)ええー、復活しちゃったんだ。

(町山智浩)そう。で、一時はすごくて、KKKの国会議員までいたぐらいなんですよ。各地方の議会に「KKKから出ました」って出馬して、当選して。KKK議員がいっぱいいるっていう状況だったんですよ。

(山里亮太)映画がきっかけで?

(町山智浩)1本の映画のために、それだけひどいことになって。それは1960年代まで続きました。アメリカでは、黒人の人権を獲得するために公民権運動という運動がありました。キング牧師が指揮した、日本でも『グローリー』っていう映画が公開されましたけども。あの運動の最中に、やっぱりKKKが次々と黒人とその運動に参加する白人を殺していったんですけども。それは、この映画がなければそんなこと、起こらなかったんですよ。

(赤江珠緒)すごい罪深いじゃないですか。

(町山智浩)罪深いんですが、これ、作ったい人はD・W・グリフィスという人で。これ、天才だったんですね。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)たとえば、いろんな映画のテクニックはこの人がほとんど1人で発明しているんですよ。

(山里亮太)へー! どんなテクニックですか?

(町山智浩)たとえば、アップってありますよね? クローズアップ。女優さんの顔を画面いっぱいに映すっていう。それって、この人が発明するまではなかったんですよ。それまで映画って固定した動かないカメラの前でお芝居みたいにして人が演じるのをただ撮っていただけなんですよ。

(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)でも、そこで顔にグッと寄って、その顔の演技を見せるっていうのをはじめて発明したのがこのグリフィスっていう監督なんですね。だから、その『國民の創生』っていう映画も、そこで発明されたいろんな映画テクニックがあるために映画学校とかではかならず見せられる映画なんですよ。アメリカでは。それなのに、内容は非常に差別的でとんでもないものなんですね。だからこういうね、映画としては素晴らしいんだけれども、ものすごく本当に危険で死者まで、実際にそれに影響された人たちは出している映画なんですよ。

『國民の創生(The Birth of a Nation)』



(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、そういったものをこの『最も危険なアメリカ映画』では次々と紹介しているんですけども。たとえば、ディズニーランドに『スプラッシュ・マウンテン』っていうジェットコースターがあるじゃないですか。

(山里亮太)はい。ご陽気なやつですよ。

(町山智浩)あれって一体なんのアトラクションだか、知らない人も多いと思うんですよ。

(赤江珠緒)たしかにね。動物が出てきて、「ウサギどんがどうしたこうした」って言っているような。

(町山智浩)そうそうそう! その通り。よく知ってますね。どうして知ってます?

(赤江珠緒)なんか1回乗った時に、最後急流すべりみたいで怖いなと思っていたら、横でずっと「ウサギどんがどうしたこうした……」って言ってるんで、イラッと来た覚えが(笑)。「怖いんだよっ!」って思っていたんで。私は。

(町山智浩)(笑)。あれね、アニメがあるんですよ。ウサギどんっていうのが出てくる。

(赤江珠緒)あ、そうなんですか?

(町山智浩)『南部の唄』っていう1950年代に作られたアニメがありまして。それのアトラクションなんですよ。スプラッシュ・マウンテンって。この『南部の唄』っていうのはいま、見ることはできないんですよ。っていうのは、内容が南部で黒人と白人が仲良く暮らしているっていう内容になっているんですよ。で、時代設定もよくわからないし、全く差別がなくて黒人と白人が仲良く暮らしていて……っていう内容になっていましてですね、存在しない南部のユートピアみたいなものを舞台にしているんですね。

(赤江珠緒)ほー。

(町山智浩)で、そのために、公開当時からだったんですけども。その後、再放送であるとかDVDが出たりとか、ビデオが出たりはしないんですよ。

(赤江珠緒)あ、そうなんですか。そんなに嘘すぎると言われる?

(町山智浩)そうなんです。『南部の唄』は完全に存在しない南部をでっち上げて、南部での奴隷制度だとか黒人差別がなかったかのように作られたインチキ映画であるっていうことで、これ、ビデオの入手が非常に困難なものなんですよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)で、それを僕が紹介しているんですけど。この本の中でね。禁じられた映画なんですよ。『南部の唄』っていうのは。

『南部の唄(Song Of The South)』



(赤江珠緒)スプラッシュ・マウンテンって……そんな映画があったんですね。

(町山智浩)そんなものなんですよ。はい。で、あとディズニーだと……その『南部の唄』の方はもう全然見れないんですけども。結構見れるんですけど、日本では見れない映画っていうのがありまして。ディズニーのアニメで。それは、『空軍力の勝利』っていう映画なんですね。これは『Victory Through Air Power』っていうタイトルのディズニーのアニメなんですけども。これは1943年……要するに第二次大戦中に作られているんですよ。

(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)内容はどういう映画か?っていうと、「東京を空爆せよ!」という内容なんですよ。

(山里亮太)えっ? ディズニーが?

(町山智浩)ええと、これはね、当時、戦争の中で戦略爆撃というものが始まった頃なんですね。戦略爆撃というのは、本来それまでの戦争というのは前線で敵国同士の兵隊たちが戦うものだったんですけども、飛行機ができたことで、兵隊たちの頭を飛び越えて、いきなり敵国の首都とか敵国の拠点の住宅地であるとか、そういったところを直接爆撃するということが可能になったんですね。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)それで、「実際に兵隊たちが死ぬ前に、いきなり敵の首都を破壊しちゃえばいいじゃないか」という考えが出てきたんです。それを戦略爆撃と言うんですね。それを東京に対してやれ! という風にけしかける内容なんですよ。

(赤江珠緒)えっ、そんなアニメなんですか?

(町山智浩)そんなアニメなんです。アニメとしての出来はすごくいいです。ディズニーのその頃の優秀なアニメーターが揃って作っているんで、アニメとしての価値はすごく高いんですけども、まあ「いま、日本と我々連合国は戦っています。このまま戦争が続いても、敵の頭を潰さなければ絶対に勝てないので、東京を直接爆撃した方がいいです」っていう内容なんですよ。

(赤江珠緒)うーん!

(町山智浩)これはディズニーの社長だったウォルト・ディズニーが自分で一生懸命作ったものなんですよ。

(赤江珠緒)あ、本人が?

(町山智浩)本人が作りました。ウォルト・ディズニー自身が作ったもので。しかもこれを、連合国側の、その頃の大統領のルーズベルトとかにわざわざ見せているんですよ。つまり、「こういう風にしなさい。東京を爆撃しなさい」と。それでこのアニメ『空軍力の勝利』のいちばんラストのクライマックスは、連合国による東京大爆撃なんですよ。

(赤江珠緒)実際に……そうなりましたしね。

(町山智浩)実際になっているんですよ。でも、この映画がどのぐらい影響を与えて実際に東京大空襲が行われたか? はちょっとわからないところがあるんですけども。はっきりと、因果関係は。ただ、ウォルト・ディズニーが「東京を爆撃せよ」と言ったのは事実なんですね。そのために、わざわざ自分のお金を出して作っているんですよ。

(赤江珠緒)はー……

(町山智浩)まあ、それだけ味方の戦死者を減らすためなんだと。早く戦争が終わらすために……

(赤江珠緒)まあ、戦時中だからね。どっちも、日本にもそういうアニメとか、映画を作っていたというのはありますけども。

(山里亮太)戦意高揚の。

(町山智浩)そうなんですけども、ただすごく違うのは、「民間人を殺せ」って言っていることになるんですよね。これは。

(赤江珠緒)そうか。

(町山智浩)「戦争に勝とう」ということではなくて、いきなり頭を飛び越えて東京を爆撃しろっていうことは、それは民間人が死ぬことですから。それが、あのディズニーの素晴らしいアニメで描かれているという内容なので。これは日本ではたぶん見れないと思います。ただ、YouTubeには載っているんですけどね。

『空軍力の勝利(Victory Through Air Power)』



(赤江珠緒)ああ、そうですか。

(町山智浩)詳しくこのアニメについて、僕が書いているんですけども。それが『最も危険なアメリカ映画』なんですけども。で、この『最も危険なアメリカ映画』のクライマックスのところは、『フォレスト・ガンプ』っていう映画なんですよ。

(赤江珠緒)はいはい。日本でもヒットしましたね。

(町山智浩)トム・ハンクスが知能指数の低い青年を演じて、1960年代に彼がベトナム戦争に行ったりいろいろするという、1960年代を描いた感動コメディーみたいなやつでしたね。

(赤江珠緒)ありました。うん。

(町山智浩)でも、この映画が実はアメリカではものすごく怒っている人が多い映画なんですよ。

(赤江珠緒)えっ? そうなの?

『フォレスト・ガンプ』の問題点

(町山智浩)「許せない!」って言っている人も多いんですよ。これ、どうしてか?っていうと、『フォレスト・ガンプ』の舞台は1950年代から60年代のアラバマなんですね。で、アラバマで白人のフォレスト・ガンプがのんびり暮らしている話なんですけども。それで、ベトナム戦争に行ったりするんですが……この映画、アラバマで起こっていた重大な事件を一切描いていないんですよ。アラバマには、モンゴメリーという市があって、そこでキング牧師が黒人の人権を獲得するために、ものすごい戦いをしていたんです。50年代、60年代は。

(赤江珠緒)うん、うん。

(町山智浩)一切出てこないですよ。『フォレスト・ガンプ』には。全く出てこないんですよ。キング牧師の「キ」の字も出てこないです。

(赤江珠緒)そっか。あのお話、ちょっとそういう時系列みたいなのが出てきたりしてましたもんね。

(町山智浩)そう。公民権運動が全く出てこなくて、黒人差別も出てこないんですよ。1ヶ所だけ、黒人が白人の大学に行くことになって、それを妨害しているところにフォレスト・ガンプが出くわすっていうところはあるんですけども。一体どうしてそうなっているのかが全くわからないです。『フォレスト・ガンプ』って見ていると。それに至った黒人差別であるとか、それに対する反差別の運動が全く描かれていないから、あのシーンだけボトッとあるんですけど……そういうのがまるでわからないんですよ。

(赤江珠緒)そっか。

(町山智浩)でも、アラバマは当時は全世界が注目していて。もう延々と何年にもわたって……1950年代半ばから1965年にかけて、ものすごい闘争が続いていたわけですね。黒人と白人の。全然出てこないっていうのは、それはあり得ないんですよ。

(山里亮太)あえて隠しているとしか思えない。

(町山智浩)あえて隠そうとしなければ、隠れないんですよ。

(赤江珠緒)そっか。ちょっとニュースっぽいものが差し込まれてましたもんね。あの映画ね。

(町山智浩)そう。いろんなニュースが差し込まれているにもかかわらず、黒人の人権運動に関しては一切出てこないんですよ。だからこれは完全に、南部の黒人差別を隠すことになっているんですよ。『フォレスト・ガンプ』っていうのは。ただひとつだけ出てくるのは、黒人の過激派のブラックパンサーの人たちが出てきて。それがものすごい悪い人たちとして描かれるんですよ。要するに、黒人差別を描かないで、黒人の運動の過激で悪い人だけを描くというやり方になっているんですよ。だからものすごい実際の歴史をねじ曲げているんで、非常に怒っている人が多い映画なんですね。

(赤江珠緒)そうだったんですか。

(町山智浩)あと、もうひとつ。ベトナム戦争に対する描き方が、ベトナム戦争にフォレスト・ガンプが行くんですけども、ベトナム戦争に勝ったか負けたかがわからないんですよ。映画の中で。いつ間にか終わっていて、負けているんだけど「負けた」ということは出てこない上に、ガンプが「ベトナム戦争はどうでしたか?」ってインタビューされる時に、音声が聞こえないんですね。演説するところでベトナム戦争について彼が語る時に、音声が消されちゃっているんですよ。

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)それが実は、シナリオでは……っていうか、トム・ハンクス自身は実際に映画の撮影現場では「ベトナム戦争では故郷に帰れないで死んだ人もいっぱいいて、悲しいことです」と言っているんだけど、その音声を消しちゃっているんですよ。『フォレスト・ガンプ』の中では。

(赤江珠緒)うーん!

(町山智浩)「ベトナム戦争は悪かった」っていうことを全部消しちゃっているんですよ。『フォレスト・ガンプ』って。

(赤江珠緒)ちょっと都合の悪そうなところは、全部なかったことに?

(町山智浩)そう。だからなんでこんなになっちゃっているんだ? というようなことをいろいろ書いているのが、この『最も危険なアメリカ映画』ですね。だから、危険っていうことでね、実際に見れなくなっちゃった映画だったり、危険な示唆を出しちゃった映画だったり、禁じられていたり、封印されていたり。あと、普通に見られているのに、『フォレスト・ガンプ』みたいによく考えると非常にプロパガンダ映画として危険だという映画だとか。そういったものを集めています。


(赤江珠緒)いくつもの映画が載っていますからね。それが『最も危険なアメリカ映画』。

(町山智浩)はい。そうです。あ、時間がなくなっちゃった。すいません。もう1冊の方はですね、『さらば白人国家アメリカ』というタイトルで、講談社から10月28日に発売されます。これはですね、ずっと僕アメリカ大統領選を追っかけていたんですけども。それを時系列で、リアルタイムで最初から最後まで並べた本なんですよ。で、たぶんドナルド・トランプがどうして候補になっちゃったか?っていうことがわかりにくいと思うんですよ。日本の人は。予備選をあんまりちゃんと報道されていなかったし。

(山里亮太)そうですね。「過激な人」っていう。

(町山智浩)そう。なんでこんなものが候補になっちゃったんだろう?って。

(赤江珠緒)いまとなってはね、なんでこの人が?っていうね。

(町山智浩)そうそうそう。それを全部時系列で書いている本で、しかも各選挙の現場に僕、自分で行ってます。『たまむすび』では現場から話とかしてきましたけども。で、その背景にあるのは、白人の国としてのアメリカがもう終わるんだということが見えてくるはずなんですよ。だからもう、2040年代には白人は50%を切っちゃうんですけども。で、今回は白人大統領が出る最後の可能性があった、ラストチャンスに近かったんですね。それで、トランプが出てきたっていうことをいろんな形で分析している本が『さらば白人国家アメリカ』で、28日に出ます。これ、もう時間がないんで。

『さらば白人国家アメリカ』


(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)これ、2冊ともリスナーの方々5名様ずつにプレゼントします。

(赤江珠緒)ありがとうございます。

(中略)

(山里亮太)いや、すごいね。

(赤江珠緒)でもこれ、両方の角度からアメリカが見えてくるということで、面白いですよ。町山さん。

(山里亮太)『最も危険なアメリカ映画』ではトランプは60年前の映画で予言されていたっていう……

(町山智浩)はい。そうなんですよ。ドナルド・トランプとそっくりな人がね、映画の中で昔から出てきているんですよ。で、「こういうものを出しちゃいけないよ」っていう映画が何本も作られているのに、出てきてしまいましたっていう話もありますので。

(山里亮太)へー!

(赤江珠緒)なるほど、なるほど。ねえ。今日もお時間いっぱいになってしまいました。町山さん、ありがとうございます。

(町山智浩)はい。じゃあ、よろしく。来週、日本に行きます。

(赤江珠緒)はい。来週に帰国中ということで、スタジオ登場予定です。町山さん、今週もありがとうございました。

(山里亮太)ありがとうございました。

(町山智浩)どうもでした!

<書き起こしおわり>
※放送の模様はradikoタイムフリー機能でお聞きになれます!(1週間限定)

DJ YANATAKEとKEN THE 390 10周年記念ベスト盤『ALL TIME BEST』を語る

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KEN THE 390さんがblock.fm『INSIDE OUT』に出演。DJ YANATAKEさんとデビュー10周年記念のベスト盤『ALL TIME BEST』について話していました。



(DJ YANATAKE)まず、一番最初にご紹介したいんですが……明日が店着日。そしてiTunesでは先行発売されていますけども。まずはベストアルバム『ALL TIME BEST』発売おめでとうございます!

(KEN THE 390)ありがとうございます。

(DJ YANATAKE)さっそく、iTunesでは先行発売で?

(KEN THE 390)そうですね。1週間早い先行発売ですね。

(DJ YANATAKE)で、もうサクッとね、iTunesチャートなんかもバッと一位になって。

(KEN THE 390)そうですね。ヒップホップのところでは一位になって。ありがとうございます。

(DJ YANATAKE)いいですね。あとこれ、avexから?

(KEN THE 390)そうなんですよ。今回、avexなんですよ。久しぶりの、出戻りみたいになっているんですけど。

(DJ YANATAKE)これはどういう……まあ、昔ね、avexからメジャーでも出して。その後、ドリームボーイ(Dream Boy Records)を立ち上げたけど。なんで今回のベスト盤を?

10週年記念のベスト盤

(KEN THE 390)そうですね。10周年でオールタイムベストとかをもともと出したくて。最初はドリームボーイで出そうと思っていて、avexの原盤を借りようとしたんですよ。当時の曲も入れたいんで……っていう話をしたら、「ちょっと1回、ご飯でも行こうよ」みたいな話を去年の終わりぐらいにして。で、ご飯に行って食べていたら、「なんか、うちでもやりたいんだよね」みたいになって。「逆に、うちが(原盤を)借りるのはどうかな?」っていう話になってきて。で、僕らも結構迷ったりもしたんですけど。でも、やっぱり10周年なんで。自分たちで出した方が儲かったりするケースもインディーズだから多いんですけど。だけど、やっぱり大きく打ち出す方がこの10年というタイミングは大事かなと思って。

(DJ YANATAKE)あと、いまどきはあれなのかもしれないけど、メジャーで出すことで売り場的などでも広がるとかね。そういうのもありますからね。

(KEN THE 390)あと、結局物理的にいま振り返っていみると僕ら忙しすぎて。CDを出すのをavexがやってくれたのは本当、助かったなと思っていて。このタイミングで。

(DJ YANATAKE)たしかに。そうかもしれない。

(KEN THE 390)やっぱり自分たちでやると大変なんで。だからすげーいい分業制で今回、出せていて。

(DJ YANATAKE)そうなんだよね。結構あと、これ3枚組になっていますね。DVDを入れてね。

(KEN THE 390)CD2枚にDVD1枚なんで。

(DJ YANATAKE)すごいボリュームなんだけど、結構お買い得なプライスになっていますよと。

(KEN THE 390)そうっすね。CD2枚組は2500円、DVD付きは3500円。

(DJ YANATAKE)安っ!

(KEN THE 390)安いんすよ。まあ、ベストなんでね。

(DJ YANATAKE)でも、安いよね。

(KEN THE 390)ケースがまたね、分厚いんすよ(笑)。

(DJ YANATAKE)久しぶりに見たね。これね(笑)。

(KEN THE 390)たぶん手に取ったらみんなびっくりする(笑)。最近、ケース薄いじゃないですか。で、これYOU THE ROCK☆さんの『ザ・グラフィティロック’98』とか『ザ・サウンドトラック’96』とかの時の、この無駄にデカい感じがすごいB-BOY心をくすぐられて。ケース見て、アガったんすよ。「いや、デカいのでやってください!」っつって(笑)。

(DJ YANATAKE)いいですね。でも、やっぱり最近の活躍は目覚ましいですから。やっぱり新しいファンもきっといるということで。改めてKEN THE 390を知ってみようという人はこのアルバムが入門編という感じになってもいいんじゃないかなと思いますけども。まあ、KEN THE 390の1個武器というか魅力と言えば、僕はマイクリレーもの。いろいろ出してますけども。なんですかね? 絶対に外さないっていうのを……

(KEN THE 390)まあでも、がんばってますね。そこは。はい。

(DJ YANATAKE)そこに客演された人が、その後に注目されるみたいな例もすごくあるし。たとえば、SKY-HIとかも。

(KEN THE 390)そうですね。『What’s Generation』から。はい。

KEN THE 390『What’s Generation』



(DJ YANATAKE)ねえ。ソロ活動としては、割りかし注目されているっていうか。そういうのも、いまだに歌詞にね、入れてきたりするし。

(KEN THE 390)そうですね。言ってくれているし。

(DJ YANATAKE)この番組でも、言ったらAKLOが参加している『ガッデム!!』とかね。

KEN THE 390『ガッデム!!』



(KEN THE 390)そうですね。

(DJ YANATAKE)割と早い時期に。なんて言うのかな? ちゃんとチェキれているっていうんですか?

(KEN THE 390)ああ、新しい人を。

(DJ YANATAKE)すごい聞いてる?

(KEN THE 390)日本語ラップっすか? でも、聞いてると思いますよ。やっぱり新しい人は。

(DJ YANATAKE)で、「次はこいつに頼みたいな」みたいなのも? そういうのは常に考えている?

(KEN THE 390)基本、考えてますね。組み合わせの妙ってやっぱり絶対にあると思うんで。

(DJ YANATAKE)そうそう。なんかやっぱさ、あるよね。逆パターンもあるじゃん。正直。ただ有名な人だけ並べりゃいいってもんでもないし。

(KEN THE 390)そうだと思います。ベタにすごいのが揃っていたら絶対にいいっていうわけでもないんで。

(DJ YANATAKE)なんかそのへんの人並べのセンスみたいなものはあるなと思って。逆に、どういう基準で……みたいなのは? なんか自分であったりするの?

(KEN THE 390)いや、まあ求められているものを出しつつ、ちょっと外したりとか。意外性は絶対に取りたいけど、でもやっぱり王道も行くみたいな、バランスですよね。やっぱり。難しいところなんですけど。

(DJ YANATAKE)そうかもしれないな。でもなんかね、もう時代を捉えてるっていう感じはするんだよね。いつもね。

(KEN THE 390)それはそう行きたいなと思いますね。

(DJ YANATAKE)で、今回の『ALL TIME BEST』用にも先行シングルとしてマイクリレーものの最新作っていうことになるんですかね? いま、バックトラックでもかかっていますけども。『Turn Up』。こちらにはなんと、T-PablowとSKY-HIが参加していると。これもまた豪華な感じで。今回、この2人を起用した理由みたいなのはあるんですか?

(KEN THE 390)そうですね。まあ10周年でマイクリレーやりたくて、誰といま僕がやったらオモロいかな? とか考えていて。まあ、やったことがない人がいいな……とか考えていて。やっぱりT-Pablowが僕、『フリースタイルダンジョン』も見ていて、やっぱりどんどんかっこよくなっていくのを見ていたんで。一緒にやってみたいなと。でも、俺とT-Pablowって番組を一緒にやっているけど、スタンスも違うし、キャラクターもだいぶ違うし。この2人にあと1人を入れてバランスが上手く三角形になる人は誰かな? あっ、これSKY-HIがいたじゃねえか! と。またT-Pablowと遠いような、近いような……みたいな人で。

(DJ YANATAKE)たしかにそうだよね。

(KEN THE 390)で、年齢的にも僕、いつも意識するんで。いつもSKY-HIって僕らの中でいくとどっちかって言うと後輩キャラというか。まあ年齢的なものもあってからなずマイクリレーとかでもいちばん下のポジションで。年下でSKY-HIがいるみたいな感じだったんですけど、そうじゃないSKY-HIの使い方みたいなのを。さらにSKY-HIもT-Pablowからしたら全然大先輩なんで。

(DJ YANATAKE)そうだよね。

(KEN THE 390)だからそういうような立ち位置の日高のラップもすごい、逆にいまフレッシュじゃないかな? と思って。

(DJ YANATAKE)はいはい。でもたしかに、T-PablowとSKY-HIだけだったらあんまり一緒にやるイメージ、実はないかもしれないな。

(KEN THE 390)そうなんですよね。

(DJ YANATAKE)でも、KEN THE 390が選べばこの1曲でまとまるのはアリかもね。

(KEN THE 390)なんか急にある気がするみたいなのは生まれるなって思って。

(DJ YANATAKE)そうですね。で、結構最近ね、トラックの方も。DJ WATARAIさんで。

(KEN THE 390)そうですね。最近、ワタさんとやるのがめっちゃ増えてますね(笑)。

(DJ YANATAKE)多いよね(笑)。

(KEN THE 390)まあでも、ここの相性もいい感じがしますね。

(DJ YANATAKE)そうですね。すっごく……僕もだいたいマイクリレーの時ってリファレンスを送るんで。「こういうものがいいです」っていうのを送って。で、そのワタさんとのコンビネーションがもう成熟しつつあって。

(KEN THE 390)なるほど。いいですね。じゃあさっそくその曲を聞いてみましょうか。曲紹介の方をお願いします。

(DJ YANATAKE)はい。『Turn Up feat. T-Pablow&SKY-HI』。

KEN THE 390『Turn Up feat. T-Pablow&SKY-HI』



(DJ YANATAKE)はい。聞いていただきましたのは明日、店着日。明後日CD発売。KEN THE 390の『ALL TIME BEST』に入っております新録曲『Turn Up feat. T-Pablow&SKY-HI』でございました。

(KEN THE 390)ありがとうございます。

(中略)

(DJ YANATAKE)まあ、SKY-HIの早口バースのところがもう、何を言っているのかわからないですけど(笑)。

(KEN THE 390)いや、でもすごいですよね。凄まじい勢いで。

(DJ YANATAKE)凄まじい勢いで。なんですか? やっぱりこのメンバーに対してカマしてやろうみたいなことなんですかね?

(KEN THE 390)そこがいいですよね。いいメンツだと、みんな燃えるじゃないですか。

(DJ YANATAKE)そういうところもくすぐりつつ……みたいな人選ですね。きっと。

(KEN THE 390)ああー、でも結果、そういうのはあるなと思いますね。手を抜かれないような人選、みたいな。「ガチで行くしかねえ!」ってみんななるみたいな(笑)。ありがたいっす。すごく。

<書き起こしおわり>

KEN THE 390 CDデビューからの10年間を振り返る

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KEN THE 390さんがblock.fm『INSIDE OUT』に出演。DJ YANATAKEさんとデビューから10年間を振り返っていました。



(DJ YANATAKE)で、ですね、いろいろKEN THE 390に聞いていきたいんですけども。やっぱり10年もさ、ラップをやるっていうビジョンって、最初の頃に浮かんでいた? ラップを始めた頃に、いまこうなっていたと思えていた?

(KEN THE 390)いや、思ってないっすね。だって僕、10年って……CDデビュー10年じゃないですか。CDを出した時はサラリーマンですからね。

(DJ YANATAKE)そうかそうか。

最初のCDを出した時はまだサラリーマン

(KEN THE 390)最初3年ぐらいはサラリーマンなんで。だから、そん時はもうマジで五里霧中な感じで(笑)。

(DJ YANATAKE)(笑)。まあ、そうだよね。まずCDを出すだけがね。この間、KOWICHIもなんかそんなようなことを言っていたんだけど。最初はCDを出すのがゴールだと思っていたけど、出したらそれがスタートだった、みたいな。

(KEN THE 390)そうなんですよ。「ゴールテープをやっと切った!」って思ったら、「あれっ? やっと道が始まった……うわっ!」みたいな(笑)。

(DJ YANATAKE)そういうことみたいだね。

(KEN THE 390)そうなんすよ。

(DJ YANATAKE)でもなんか、ケンくんの場合はとにかく休みなく出し続けている……

(KEN THE 390)出してますね。でもやっぱ、スタートがよかったっていうか。僕が出したのって社会人1年目の3月なんすよ。だから、作っていたのはずっと社会人1年目の時とか。最初の、環境が超変わって。それこそ激務で。いまでこそね、みんな「忙しいのは、よくない!」みたいな空気があるけど、もうすっげー忙しい時代だったんで。そういう時に1枚目を出しているんで、なんか常に出し続ける身体になっているというか。結構忙しくてもアルバムは作れるみたいなのがわかっちゃったんですよね。たぶん。

(DJ YANATAKE)でも、すごいことだな。最近、(渡辺)志保がね、かならずゲストにする質問があって。そういう歌詞を書くテーマとかって尽きたりしないんですか?

(KEN THE 390)ああー、どうなんすかね? でもやっぱりヒップホップだから尽きないっていうのはあるんじゃないですか? ヒップホップってちょっとゲーム性があるじゃないですか。時代性もあるし。だから、内なる衝動に任せなくていいというか。外的要因のヒントがいっぱいある音楽だなと思うんですよ。

(DJ YANATAKE)でもまあ、常に何かを吸収して。歌詞になるんじゃないかな? みたいなのを思いながらすごしているっていう感じ?

(KEN THE 390)も、ありますね。うん。まあずっと考えているというよりは、思いついたらメモっておくみたいな感じぐらいですけどね。

(DJ YANATAKE)タイプ的には、結構でも書くのも早い方だと思いますし。

(KEN THE 390)僕、早いと思います。

(DJ YANATAKE)そうですよね。あと、10年やっていて、もちろんいい時、悪い時あったと思うんですけど。いちばん大変だった時とか、いちばんよかった時っていつですか?

(KEN THE 390)いやー……でも、いちばんいいのは絶対にいまだと思いますよ。

(DJ YANATAKE)いまがいちばんいい?

(KEN THE 390)いまがいいんじゃないですかね? だって、いちばん仕事が入ってますからね。やっぱり。

(DJ YANATAKE)ああ、本当? でも、10年たっていまがいちばんいいっていうのは、すっげーかっこいいね。

(KEN THE 390)そうっすね。まあ、ずーっと別にすげーいい時代はないからっていうのはあるんですけどね(笑)。

(DJ YANATAKE)(笑)。いやいやいや、そんなことはないでしょう。

(KEN THE 390)でもやっぱり、僕らの仕事って仕事があるかないかだけだから。暇なら暇な分だけ虚しくなるし。忙しければ忙しいだけ、大変だけど充実するというシーソーの……全てが上に来る。稼ぎも何も、忙しければ忙しいだけっていうのが僕らの世界なんで。

(DJ YANATAKE)まあ、そうだよね。

(KEN THE 390)だから、忙しくできているっていうことがなにより大事かなって思いますけどね。

(DJ YANATAKE)たしかに。何日も休みあったら、不安になっちゃうもんね。

(KEN THE 390)もうたぶん、3日、4日フルで休んでいたら、気持ちがナイーブになってくると思いますよ(笑)。みんなそうだと思いますよ。それは。別にこの業種に限らず、フリーランスみたいな。自営業でやっている人は。はい。

(DJ YANATAKE)まあ、そういうことですよね。僕もそうなんですけどね(笑)。

(KEN THE 390)ねえ。3日スケジュールが入ってなかったら……

(DJ YANATAKE)いや、怖い怖い怖い。恐怖。恐怖。そんなの怖いっす。

(KEN THE 390)それはすげーありますよ。やっぱり。はい。

(DJ YANATAKE)なんでもいいから1個ね、ちゃんとカレンダーに入っていると安心しますよね。そうか。でも、いまがいちばんいいっていうのもすごい最高なことだし、逆に大変だった時みたいなのは?

(KEN THE 390)まあ、肉体的に大変なのはいまだと思うんですけど。まあ、精神的にはメジャーに行っている時とかは辛い時、結構ありましたけどね。いま振り返っても。

(DJ YANATAKE)やっぱり自分の思惑以外のこともやらなきゃいけないとか、そういうこと?

(KEN THE 390)そうですね。やりたいことと、やらなきゃいけないことのバランスを取るのがすごく難しいし。で、いまほどやっぱりある程度大人にもなれていないから。客観的に自分を見れてなかったりもするから。やっぱり、言われることに対する反発もあるし。でも、難しい時もありましたよね。

(DJ YANATAKE)そういうのを経たからこそ、自分でレーベルを作ってやってみたりとかね。

(KEN THE 390)ありますね。あそこでたぶん地獄を味わったから、その後のいまがあるしとか思うし。いま、若い人といろいろ仕事をする時も、本当に辛い状況をアーティストとして1回味わっているから。役割と、やりたいこととやらなきゃいけないことのバランスを。だから、いま自分の周りにいる人とかを手伝う時とかは、その味わったことがあるから言えることもあるかもな? とは最近思いますけどね。

(DJ YANATAKE)なるほどね。

(KEN THE 390)でも、やっぱ最近。「あ、そういうのも役に立つ時が来るんだ。ああ、サラリーマン時代の仕事も役立つことがあるんだな」とか。

過去の経験貯金

(DJ YANATAKE)わかる! まあ高校生の時の趣味でもなんでもいいけどさ、意外と無駄かと思っていた自分の経験貯金みたいなのって、「あっ、いま吐き出すタイミング、あるんだ!」みたいな。

(KEN THE 390)すげーそうだと思います。

(DJ YANATAKE)あるよね。たとえば俺、『タマフル』でさ、チェッカーズMIXとかやったじゃん? チェッカーズとか超好きだったけど、それってどこにも出すのがなかったけど……「あっ、いま俺の貯金を出すタイミングだ!」みたいな。

(KEN THE 390)たしかに。それに近いものがあります。いま、すごく。

(DJ YANATAKE)そうか。でも、そういう意味では、ちょっと無理やり結びつけちゃうようですけど。フリースタイルバトルブームもいま、すごいじゃないですか。KEN THE 390はフリースタイルバトラーとして、結構ずーっと。

(KEN THE 390)そうですね。ずーっとやってましたからね。

(DJ YANATAKE)あれは、なに? 最初に出てった時はどういう目的で?

(KEN THE 390)いや、もうバトルに勝たないと有名になれないと思っていたんで。これ、多分僕らの被害妄想だったんすけど。当時、ラップとかを友達とやっているじゃないですか。で、いろんな人がデビューするんすけど、すげー勝手に僕ら、卑屈になっていて。「デビューしていく人はみんな誰かの後輩じゃねえか?」みたいな感じになっていたわけですよ。で、僕らは一応GALAXYにいるんだけど、ライムスターと話したことないし、怖いし……みたいなのもあって。で、どっかの洋服屋にも勤められないし……みたいな。で、どうしたらいいかわからねえとずっと思っていたんですよ。友達同士で。で、大学生パーティーやってライブしても友達しか来ないみたいな。で、当時の相方で志人っていうやつとグループを組んでいて、志人がB-BOY PARKのMCバトルに出たんですよ。

(DJ YANATAKE)はいはい。

(KEN THE 390)で、ベスト4ぐらいまで行ったんですよ。したら、いつもレギュラーで友達が2、30人ぐらいしかいなかったパーティーに、その次の月から志人を見に来た客が10人とか20人来るんですよ。だから、「えっ? あれ、誰かの友達? 誰の友達でもない人がいるんだけど……」みたいな。

(DJ YANATAKE)ああーっ。その人、志人を見に来ているんだ。

(KEN THE 390)「一般客」っていうのをはじめて見たわけですよ(笑)。「えっ、あの人、普通に? ドアで? 当日券で来た人?」みたいな。「そんな人、いるの!?」みたいな(笑)。

(DJ YANATAKE)(笑)

(KEN THE 390)超びっくりしちゃって、みんな。で、そっからもう、DEJIとかTARO SOULとかみんな、「これしかない!」みたいな。

(DJ YANATAKE)名前を売るにはバトルに出るしかないと。

(KEN THE 390)「バトルに出れば、俺たちのイベントに客が来るんだ! 僕らのこのCD-Rを買う人がいるんだ!」みたいな。もうそっから、練習しかないみたいな。

(DJ YANATAKE)それからでもね、そん時にがんばっていたから、やっぱりバトルMCとしてのキャリアもあって、見る目があるから今回『フリースタイルダンジョン』の……

(KEN THE 390)そうですね。まさか自分が10年後にね、審査員しているとは思わなかったっすね(笑)。

(DJ YANATAKE)でも、それやっぱやってきた貯金だよね。だって、バトルに出てなかったら呼ばれてないと思うし。

(KEN THE 390)まあ、たしかにそうですね。

(DJ YANATAKE)で、実際にブームの火付け役になった番組なわけですけど。その番組出る前と後では変わったりしたこと、ありますか?

(KEN THE 390)いや、めっちゃ変わったんじゃないですかね。

(DJ YANATAKE)たとえばKEN THE 390としても、変わったことはありますか?

(KEN THE 390)自分の活動スタンスが変わることはないですけど、やっぱり見られ方がすごい変わりましたよね。ヒップホップって僕ら、基本的に大好きじゃないですか。だし、自分の活動もずーっとヒップホップの面白さをどう言っていくか?っていう。曲でもそうだし、話とかでも伝えたいなと思っていたんだけど、世の中がいままでって別にヒップホップに興味がないから、ちょっとのけぞっている状態というか。聞く気がない人にどんなに説明しても、大変じゃないですか。

(DJ YANATAKE)はいはい。

『フリースタイルダンジョン』の影響

(KEN THE 390)だけど、いまってやっぱり『ダンジョン』のおかげで「ちょっと面白いぞ」と思って、ちょっと前のめりで聞いてくれてるという状況になっていると思って。だから、こっちに聞く気がある人に話すのって、すげー話しやすいしやり甲斐があるというか。

(DJ YANATAKE)なるほどね。

(KEN THE 390)だからいまは楽しいし、世の中がちょっとこっちに聞く耳を持ってくれている状態だから、より「いろんなことをやんなきゃ!」みたいな。いま、すげーいい。そうなってくると話は早いと思っちゃうんで。だから、それをできている『ダンジョン』とか『高校生ラップ選手権』はすごいメディアのパワーがやっぱりあるなって思いますよね。

(DJ YANATAKE)なるほどね。そうか。じゃあそういう新しい仕事が来るきっかけにもなっただろうし。最近、ラップのCMをやるみたいなのも流行っているじゃないですか? 結構いくつもやっているよね?

(KEN THE 390)僕、結構やっていますね。どん兵衛やったり、フリスクやったり。




(DJ YANATAKE)大手も多いっすね!

(KEN THE 390)パチンコ屋さんのをやったり。福井県に行くと、テレビで僕が「真っ向勝負!」って言っているテレビCMが流れてるんすよ(笑)。



(DJ YANATAKE)でもさ、そういうのはいままでなかったわけじゃない?

(KEN THE 390)本当、そうですね。

(DJ YANATAKE)すごいいいね。そういうの、やれるだけやった方がいいよね。

(KEN THE 390)僕もそう思っていますね。あと、やっぱり数ある中で僕とかに区れている話って結構ガチでやりたいと思ってくれているんですよ。だから、そういうところにはしっかり返したいと思いますね。

(DJ YANATAKE)なるほど。ちょっと次の曲をかける時間かなと。『ALL TIME BEST』。先ほどから言ってますけども、KEN THE 390デビュー10周年を記念したベストアルバムが発売されますが。もう1曲、新録曲があるということで。これもかけちゃっていいですか?

(KEN THE 390)大丈夫です。ぜひかけてください。

(DJ YANATAKE)これはどんな曲に?

(KEN THE 390)これはもうワンマンの最後で、ビシッとやって締めて終わりたいなと思って作った曲ですね。

(DJ YANATAKE)なるほど。今、『#ケンザワンマン』をやっていて、リキッドルームとかね。

(KEN THE 390)そうです。一昨年リキッド、去年はクワトロっすね。

(DJ YANATAKE)それで、去年とかからツアーになってきたんだよね?

(KEN THE 390)そうですね。全国やっています。今年は4ヶ所ですけども。

(DJ YANATAKE)今年4ヶ所。そして、『#ケンザワンマン』が始まったんですよね。

(KEN THE 390)始まりました。福岡が先週の日曜日に。

(DJ YANATAKE)どうでした? 初日は。

(KEN THE 390)いや、すげーよかったっす。福岡、着実にちょっとずつなんですけど、動員が伸びていて。すごい感謝しています。来てくれた人みんなに。

(DJ YANATAKE)いいですね。福岡とかのシーンの人も、なかなかこの番組だとちょっと遠いから、なかなか呼べなかったりするんですけど。どうですか? 福岡のヒップホップシーンは。

(KEN THE 390)福岡、ヒップホップ熱いですよ。福岡は世の中の流れとかペースにあんまり影響されていない人が多いというか。いい意味で自分たちのスタンスを貫いている系のヒップホップがすごい多いですね。

(DJ YANATAKE)そうか。いずれね……あ、1回、レッドブルとかにも出ていたDJ YOSSYくんとかはDJで出てもらったことあるけど。あと、POCKYも。曲とかかけたことあるかな。今度また、詳しくケンくんからも教えていただきたいですけども。そんな始まっている『#ケンザワンマン』の最後に。じゃあ、この曲を聞いて、ワンマンに来てほしいっていう感じですかね?

(KEN THE 390)そうですね。

(DJ YANATAKE)じゃあ、曲紹介をお願いします。

(KEN THE 390)はい。KEN THE 390で『この道の先へ』。

KEN THE 390『この道の先へ』


(DJ YANATAKE)はい。聞いていただきましたのはKEN THE 390ベストアルバム『ALL TIME BEST』に収録される新録曲『この道の先へ』でございました。これね、ライブの最後の方にやるっていうことで、新曲なんですけども。ちょっとバラードっぽいけど、ちゃんと盛り上がりポイントもある。

(KEN THE 390)そうですね。なるべく……エモい感じです。ピンスポットを浴びながら歌おうと思って書きました(笑)。

(DJ YANATAKE)(笑)。まあ、いいですね。

<書き起こしおわり>

DJ YANATAKE KEN THE 390『Like This Like That』を語る

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KEN THE 390さんがblock.fm『INSIDE OUT』に出演。DJ YANATAKEさんおすすめ曲『Like This Like That』について話していました。



(DJ YANATAKE)というわけで、僕もせっかくなんで、このKEN THE 390のオールタイムベストの中から、ヤナタケ的セレクションを1曲、かけさせていただきたいなというわけで、僕が選んだ曲は、こちら! KEN THE 390で『Like This Like That』。

(KEN THE 390)ありがとうございます。

(DJ YANATAKE)こちらにしました。これね、いくつか好きな理由っていうのはあるんですけども。まず第一に、これは割と最近の曲じゃないですか。まあ10年やっていても。なんて言うのかな? ちゃんと、いま現行でかっこいい曲を出せているっていう。

(KEN THE 390)ああーっ、ありがとうございます。

現行でかっこいい曲を出すことの意味

(DJ YANATAKE)僕、すっごいそれ、ヒップホップ的にはキーワードで。やっぱり生きている音楽だし。最新のものがかっこいいっていうのはすごく重要な要素で。まず、新しいんだけどすげーベスト級の曲を出せているというところと、これ歌詞がね……やっぱり『INSIDE OUT』的には歌詞を聞いていただきたい。ビデオとか、結構ツルッと見ちゃっている人もいるかもしれないけど。これ、歌詞が本当に面白くて。なんて言うんだろうな? まあ、痛烈なディスまでは行かないのかもしれないけど、ちゃんと世の中の皮肉っていうか……たとえばSNSで陰謀論みたいなのが好きな人とか、いるじゃないですか。そういうのとかをサラッと揶揄しつつ。

(KEN THE 390)サラッとですね(笑)。

(DJ YANATAKE)揶揄しつつ、でもちゃんとメッセージ性がある……でもパーティーソングになっている。ライブでも超盛り上がる。

(KEN THE 390)めっちゃ盛り上がりますね。

(DJ YANATAKE)これね、すっごい僕、とにかくこの曲、歌詞がすごい好きなんで。いままでサラッと聞いちゃっていただけの人も、ひょっとしたらいまはじめて聞く人も、いまからかけますので。すごく聞き取りやすいし、歌詞に注目して聞いていただきたいなと思います。じゃあ、僕の方からかけちゃっていいですか? KEN THE 390のオールタイムベストにも収録されております。『Like This Like That』。これもDJ WATARAIプロデュースです!

KEN THE 390『Like This Like That』



(DJ YANATAKE)はい。聞いていただきましたのはKEN THE 390のオールタイムベストにも収録されております『Like This Like That』。ヤナタケのレコメンドでございました。

(KEN THE 390)ありがとうございます!

<書き起こしおわり>

KEN THE 390 おすすめ曲 Kid Cudi『Surfin’』を語る

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KEN THE 390さんがblock.fm『INSIDE OUT』に出演。おすすめUSヒップホップ曲Kid Cudi『Surfin’』について話していました。



(DJ YANATAKE)せっかくちょっと『INSIDE OUT』に来ていただいたということで、普段KEN THE 390、他のメディアではやっていないようなこともやってもらおうかなと思いまして。この番組、日本語ラップも紹介するんですが、基本的にはUSの最新ヒップホップを紹介していこうという番組なんで。KEN THE 390って、普段はどんなヒップホップを聞いてるの?

KEN THE 390の新譜チェック

(KEN THE 390)僕はまんべんなく、新しいものをなるべくチェックできるようにしたいなと思いながら。YouTubeに上がっているものはなるべく網羅しようかなとか。そういうレベルで聞いていますけどね。

(DJ YANATAKE)という中で、最近のお気に入り最新USヒップホップとかある? なんて聞いたら……

(KEN THE 390)そうですね。僕が最近聞いていてかっこよかったのは、キッド・カディ(Kid Cudi)の『Surfin’』っていうやつなんですけども。

(DJ YANATAKE)はいはいはい。いいですね。

(KEN THE 390)ファレル(Pharrell)と一緒にやっているやつなんで。もともと好きなんですよ。ずっと。僕、キッド・カディ自身が。アルバムが好きで。なんかちょっと変わった感じ。生音っぽいのもそうだし、なんかヘンテコなメロディーもそうだし。スタンスも含めずっと好きなアーティストなんですけど。ずっとアルバム出ねえなと思っていて。で、なんかモメたりしてたじゃないですか。

(DJ YANATAKE)はいはいはい。

(KEN THE 390)特にカニエ(Kanye West)とやっていたのが好きだったり単で。

(DJ YANATAKE)『Father Stretch My Hands』。

(KEN THE 390)そうなんですよ。だから、「あーあー……」って思っていて。したら、出てきたのがこれで。「あっ! 全然まだ僕が好きな方向にいる!」みたいな感じがすごくあって。うれしかったんですよね。

(DJ YANATAKE)なんか、ちょっと鬼才感もありますけどね。

(KEN THE 390)たぶんなんか、近くにいたら超めんどくせーんだろうなって(笑)。

(DJ YANATAKE)(笑)

(KEN THE 390)眺めている分にはすっげー面白いんだけど(笑)。カニエも大変だな……みたいな感じがしたんですけども。

(DJ YANATAKE)でも、いよいよ延期になっていたようですけども。『Passion, Pain & Demon Slayin’』っていうアルバムが10月発売予定ってなっていますけども……

(KEN THE 390)もう、ねえ。

(DJ YANATAKE)10月終わりで。どうなるんでしょうかね? まあ、来月ぐらいには出るんじゃないでしょうか。アンドレ3000(Andre 3000)とかトラビス・スコット(Travi$ Scott)。ウィル・スミス(Will Smith)の娘、ウィロウ・スミス(Willow Smith)なんかも参加しているアルバムということで。そしてファレルもね。調べたら、アルバムが18曲入りで、なんか映画で言う4話構成みたいな。

(KEN THE 390)なんかファーストもいま、そんな感じになっていましたよね。

(DJ YANATAKE)なんかすごい不思議な作り方をしていると思うんですけども。なかなか面白そうじゃないでしょうか。なるほど。じゃあ今日はKEN THE 390に選んでいただいたこの曲を聞きながら、ケンくんとはこのへんでお別れということなんですけども。曲紹介をお願いします。

(KEN THE 390)はい。キッド・カディの『Surfin’』です。

Kid Cudi『Surfin’ ft. Pharrell Williams』



(DJ YANATAKE)はい。いま聞いていただきましたのはKEN THE 390が最近お気に入りの最新USソングということで、キッド・カディ feat. ファレル『Surfin’』でございました。

<書き起こしおわり>

DJ YANATAKE Amine『Caroline』を語る

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DJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でAmineの『Caroline』を紹介していました。



(DJ YANATAKE)はい。最後の曲になります。こちらはアミーネ(Amine)っていうんですかね? アーティスト名の読み方があれなんですけども。『Caroline』という曲をかけたいと思います。これ、実はリリースされたのが今年の3月ぐらい。で、実は僕、ずーっとさっきも言ったLINE MUSICのプレイリストで載せ続けていて。いまも載せているんですけども。

DJ YANATAKE LINE MUSIC HIP HOP プレイリスト


実はアメリカでもジワジワジワジワとヒット中で。『INSIDE OUT』でもいつ紹介しようか、いつ紹介しようかなんて思っていたんですけども。ちょっといいタイミングがあったので、今日紹介したいと思います。この『Caroline』というのは女性の名前ですけども。Rap Geniusを見るところによると、最初にアウトキャスト(OutKast)の『Roses』で出てくるラインで……みたいな感じだったんですけども。


そこで使われている意味はちょっと違って。割りかし普通の女の子に対する恋愛ソングみたいな感じになっているのが今回のこの『Caroline』ですけども。アウトキャストの時に出てくる女性はちょっと魔女っぽい感じの人の名前だったんですけども。アミーネ自身は「マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の『Billie Jean』に出てくる女の子のようなものだ」と言っているのがキャロラインなんですけども。

なんか、結構これ検索すると韓国系のコリオグラファー(振付師)によるビデオも何本か出ていたりして、そっち系でも結構盛り上がっているのかな? とか思っているんですが。この番組でもずっと言ってますRap Geniusという歌詞解説サイトが1ヶ月ぐらい前からビデオ版っていうのが始まっているんですけど。これ、みなさん、知ってましたかね? やってまして、本人が歌詞の解説をしているんですね。Rap Genius、文面上でもやることがあるんですけど、ビデオ版は本人が出てきて、その自分の曲をYouTubeで説明しております。

それの最新回がなんとこのアミーネの『Caroline』になっていたので、気になる人はYouTubeでRap Geniusのアカウントを検索してみるとパッと出てくると思うので。そちらをチェックするとこの曲の理解度が深まるんじゃないかなというわけで、ぜひチェックしてみてください。

Amine『Caroline』 Official Lyrics & Meaning



この曲、ジワリジワリジワリと、半年ぐらいかかっていますけども。いま結構、アメリカのチャートでも上位に来ております。ということで、本日はここまでになりますけども。1時間お付き合い、ありがとうございました。ヤナタケでした。また来週!

Amine『Caroline』



<書き起こしおわり>

星野源 レディ・ガガ アルバム『Joanne』を語る

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星野源さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』でレディ・ガガの新作アルバム『Joanne』についてトーク。『Just Another Day』を選曲して紹介していました。



(星野源)じゃあ、次の曲に行ってみましょう。先日、レディ・ガガの新譜、アルバムが出まして。さっそく購入しまして聞いているんですけど、なんて言うかこう、すごく好きなアルバムだなと。なんかね、全体に流れる空気みたいなものが……やっぱりレディ・ガガというと奇抜なイメージ、エッジが効いているイメージがあると思いますが、実はジャズのアルバムを出していたりとか。本当にいろんな顔がありまして。

その中でも、今回のアルバムは全体のなんとなく空気を通して、足元をたしかめている感じと言いますか……自分の体を触りながら、たとえば、「ああ、ここに肘がある」とか。自分の顔を触りながら、「ああ、ここに鼻がある」とか。なんかそういうのを1個1個、ゆっくり自分の体をたしかめているような。

あと、自分のいる場所っていうのを踏みしめて、地面があるかどうかをたしかめているみたいな。なんかそんな雰囲気のするアルバムで、すごく個人的に聞いていて心地がよくて、とても好きです。そのニューアルバムの中から、聞いてみましょう。レディ・ガガで『Just Another Day』。

Lady Gaga『Just Another Day』



お送りしたのはレディ・ガガで『Just Another Day』でした。

<書き起こしおわり>

宇多丸・玉袋筋太郎・K DUB SHINE 高樹沙耶逮捕を語る

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K DUB SHINEさんがMXテレビ『バラいろダンディ』にゲスト出演。宇多丸さん、玉袋筋太郎さんらと高樹沙耶さんが逮捕されたニュースについて話していました。


(蝶野正洋)第八位、日刊ゲンダイ『高樹沙耶 逮捕 相棒にキズ』。

(阿部哲子)昨日、高樹沙耶容疑者が大麻取締法違反で現行犯逮捕された件で、テレビ朝日は同日午後に再放送予定だった出演ドラマ『相棒』シーズン7の第13話を急遽出演していないシーズン14の第12話に差し替えて放送しました。高樹容疑者は2002年のシーズン1から11年のシーズン10、第1話まで主演の水谷豊さん演じる警部 杉下右京の元妻で小料理屋の女将を演じていました。『相棒』シリーズはテレ朝のキラーコンテンツで、夕方の再放送も常に視聴率8%前後をキープしており、今回の逮捕で再放送以外にも発売済みのDVDなど影響は計り知れないということです。

(蝶野正洋)玉さん、どうですか?

フィリピン ドゥテルテ大統領来日中

(玉袋筋太郎)いま、フィリピンの麻薬撲滅運動にすごい心血を注いでいるドゥテルテさんが来てますよね。で、今夜の安倍さんとの階段の中で麻薬撲滅と一緒にこの高樹沙耶も撲滅させたいと提案したとか……

(宇多丸)……どう突っ込んでいいか、わからないですよ!

(玉袋筋太郎)いやいやいや……

(宇多丸)デタラメな推理で……

(K DUB SHINE)それがいきなりの逮捕のたぶん背景ですよね。

(玉袋筋太郎)そうだと思いますよ。

(K DUB SHINE)この時期に、急なね。

(玉袋筋太郎)急に逮捕する。

(宇多丸)こっちゃん、むちゃむちゃ『相棒』ファンでしょ?

(K DUB SHINE)だから「たまき」さんっていう名前で出ていたから、もう「大麻き」さんに名前を変えるとかね。

(玉袋筋太郎)上手い!

(宇多丸)上手いね、こりゃ。

(玉袋筋太郎)だけどね、その名前で言うと、高知東生、高相祐一、高樹沙耶。3人とも「高」がついている!

(宇多丸)だから、ハイなんですよ。

(玉袋筋太郎)ハイになってんだよ!

(K DUB SHINE)本当だ! 高いところが好き!

(玉袋筋太郎)そこに三田佳子の高橋祐也なんか入れたら、もっと大変なことになっちゃう! 高すぎるだろ!?っていうね。

(蝶野正洋)なるほど。室井さんはどうですか、これ?

(室井佑月)うーん……再放送はマズいのかもしれないけど、DVD発売はいいんじゃないかな?って思うけど。なんかその役で出ているわけだから。

(蝶野正洋)さっき、なんか言われてたじゃないですか。ケーダブさんが。

(K DUB SHINE)あ、これ逮捕はされてますけど、まだ本人は容疑を否定していたり、一緒に捕まった人が「自分のです」とかって言ってるんで。起訴されない可能性もあるから、あんまり先回りするのも問題……

(室井佑月)私、大麻じゃないところが気になるもん。

(玉袋筋太郎)なに? ナチュラリスト?

(室井佑月)男の人3、4人の人と一緒に暮らしていたんでしょう?

(玉袋筋太郎)新しい相棒。

(室井佑月)あれ、どういう羨ましい状況なんだろう?

(宇多丸)コミューン的なね。

(K DUB SHINE)彼氏は1人だけなんじゃないですか? たぶん。

(宇多丸)昔からあるじゃないですか。コミューン的なアレって。

(K DUB SHINE)だから好きな人がやっていることにどんどんハマっていくっていうタイプですよね。彼女は。

(玉袋筋太郎)いや、だけどね、この人は昔ね、ダイビングとかをやっていたりしてさ。真っ黒けになって出てきたりとかしてたわけよ。「記録を作った!」とかさ。で、そん時にこの人は鈴木その子さんが……昔、俺たちが掘り当てた。その美白のCMに出ながら、私生活では真っ黒に焼いていたっていう。そういった部分で俺たちからすると「このギャラ泥棒!」とは思っていたね。

(宇多丸)ああ、そうなんだ。

(玉袋筋太郎)「ひでーな、この野郎は!」って思っていたりしていた。

(K DUB SHINE)1人オセロみたいな感じですね。

(蝶野正洋)1人オセロ(笑)。

(玉袋筋太郎)そう。1人オセロ!

(宇多丸)同時にはちょっとよくないですよね。

(玉袋筋太郎)よくねえんだよ。ふてえ野郎だな!って思っていたんだよな。

<書き起こしおわり>

K DUB SHINEと宇多丸 増加するラップCMを語る

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K DUB SHINEさんがMXテレビ『バラいろダンディ』にゲスト出演。宇多丸さん、玉袋筋太郎さんらと最近ブームになりつつある企業のラップCMについて話していました。

http://s.mxtv.jp/barairo/gallery_img/gallery_photo_102500001.jpg

(阿部哲子)さあ、続いて四位はこちらです。

(蝶野正洋)「企業CMでラップがブーム」。

(阿部哲子)最近、CMにラップを使う企業が増えています。



こちらは生命保険会社 第一生命が先月から放送しているCMで、男の子が繰り出す滑舌のいいラップに注目が集まり、いまSNSなどで「この子、誰?」と話題になっています。他にも、ファンタのCMでは俳優の菅田将暉さんがラップに挑戦。



キリン氷結では、芸人のトレンディエンジェルとNON STYLEがラップバトルを披露。



他にもフリスク、ブラックサンダー、アコムなどがCMにラップを起用しています。





(蝶野正洋)ああ、そうなんですか。ケーダブさん、どうですか?

K DUB SHINE ラップCMへのあえての苦言

(K DUB SHINE)あえて苦言を呈させてもらうと……まあリリックとか韻を踏んでいるライムとかがないと、ラップとして呼んでいいのかな?っていうのはあったり。あと、作文みたいな文章をただラップのリズムに乗せているだけ、みたいなのが勘違いされてCMになっているのが多いんで。そこは、僕を雇ってくれれば全然お手伝いしますんで。

(一同)(笑)

(室井佑月)営業だ(笑)。

(玉袋筋太郎)営業かよ、おい!(笑)。いいねえ。

(祥子)リリックってなんですか?

(K DUB SHINE)歌詞のことです。

(蝶野正洋)でも、そういうのわからないよね。室井さんとかも、わかります? そんな話。全然わからないですよね?

(室井佑月)うん。

(K DUB SHINE)でも作家だから、自分の書く文章とかにはこだわりはお有りでしょうし。そういうの、やっぱり人が書く文章も気になること、ありません?

(室井佑月)リズム感っていうのはすごく合う、合わないがあるけど。

(K DUB SHINE)ありますよね。

(室井佑月)でも、人の書いたものだから。自分のだけです。気になるのは。

(K DUB SHINE)文学か、文学じゃないかみたいな話とか。これはラップか、ラップじゃないかみたいなところだと、いろいろ……

(室井佑月)気になるっていうより、これがどうして売れるんだろう?って悔しくなったりはします。

(一同)(笑)

(K DUB SHINE)そうそうそう。

(玉袋筋太郎)そういうこと。そういうこと。

(阿部哲子)こちらをちょっとご覧ください。大手企業ラップCM一覧です。キリン氷結、東京サマーランドはスチャダラパーさんがやっていますね。



そしてトヨタ自動車は妻夫木聡さんと山下智久さん。



ケンタッキーフライドチキンは桐谷健太さん。



で、ファンタが菅田将暉さんと。

(蝶野正洋)宇多丸さん、どうですか? これ。

(宇多丸)いや、昔と比べたらすごい良くなってる。さっきケーダブが言ったような状況も、昔と比べたらすごい良くなってるのは、いまは一応プロのラッパーが入って歌詞を書いている場合も多くなってきているし。あとは、まあこっちのWEB CMだとすごい多いんだけど。あとはもう本当にラッパーが出てきてやっているやつがいちばんですよ。WEBだと多いんだけど。結構。だからちゃんとプロのラッパーにやらせりゃいちばんいいのができるから。

(蝶野正洋)ちゃんと2人を監督に使えと。

(宇多丸)だし、これに載ってないけど気が利いているのが、Mummy-Dもやっているんですよ。

Mummy-D トビタテ!留学JAPAN『Dear Father』CM


Mummy-D トビタテ!留学JAPAN『Dear Father』CM制作裏話
Mummy-DさんがFM yokohama『BAY DREAM』に出演。サイプレス上野さんと、ご自身が出演した文部科学省の留学促進キャンペーン、トビタテ!留学JAPANのCMムービ...

(K DUB SHINE)あれ、いいよね。

(宇多丸)うちのMummy-Dのやつとかはすげーちゃんとしているんで。

(K DUB SHINE)政府広報だよね。あれね。

(宇多丸)だから、さっきのをちょっと補足すると、もちろんラップのスタイルって厳密に韻を踏むんじゃなくてかっこいいスタイルもあるはあるんだけど。CMだったら、パンチラインっつって、ちゃんとライムとライムを決めてバシッバシッて内容が耳にガシッと入ってくる方がCMとして有効であろうから。そういう意味でも、こっちゃんの言っていることは広告の力としても意味があるんじゃないかなと。

(蝶野正洋)もっとアピールできるんだとかね。

(K DUB SHINE)フレーズをバチッとやった方が絶対に面白くなるんですよ。

(宇多丸)そのあたり、イトーヨーカドーの日高くん。SKY-HIのとか……

SKY-HI イトーヨーカドーCM


宇多丸 AAA日高のイトーヨーカドー 高速ラップCMを絶賛!
ライムスター宇多丸さんがTBSラジオ ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフルで、AAA日高さんが出演しているイトーヨーカドーのWEBチラシCMを絶賛していました。 日...

(K DUB SHINE)それよりも花王のK DUB SHINEを見た方がいいと思うよ。



(一同)(笑)

(宇多丸)こっちゃんは、K DUB SHINEのラップはものすごい耳に入ってきやすいし、内容面白いしっていう。人間的には最悪ですけど、ラップは素晴らしいっていう……

(一同)(笑)

(蝶野正洋)ちょっと待って! 人間的にはダメですか?

(宇多丸)はい。

(K DUB SHINE)クライアント、すごい気に入ってくれてますよ。

(玉袋筋太郎)(笑)

(蝶野正洋)仲がいいのか悪いのか、わかんないですよ。この2人は(笑)。

(阿部哲子)以上、第四位までお伝えしました。

<書き起こしおわり>

都築響一と常盤響 九州の魅力と『僕的九州遺産』を語る

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都築響一さんがLOVE FM『トランジットレディオ 常盤響のニューレコード』に出演。九州が持つ独特の魅力と都築響一さんの展覧会『僕的九州遺産』について話していました。

「都築響一 僕的九州遺産 My private Kyushu」(~10/30) 先日、ご来場されたライターや本屋「B&B」ディレクターとしてご活躍中の木村綾子さんとイベントで来福中だった都築さん♪下北沢の「B&B」は、天神に期間限定の書店「Rethink Books」を6月からオープン中♪(イムズから5分の近さ!)飲める本屋さんで、連日興味深いイベントが行われています📖🍺木村さんはイベントの企画をされているそう。展覧会をご覧になったあとは、ぜひこちらにも訪れてみては♪ #都築響一 #僕的九州遺産 #MyprivateKyushu #kyoichitsuzuki #九州 #rethinkbooks #三菱地所アルティアム #アルティアム #イムズ #天神 #福岡

三菱地所アルティアムさん(@artium.jp)が投稿した写真 –


(常盤響)常盤響がお送りしております『トランジットレディオ』月曜日、『ニューレコード』。ここからは『GO GO ニューレコード』のコーナーでございます。このコーナーでは毎週ひとつのテーマに沿ってレコードを聞いていただくといったコーナーなんですけども。レコード屋さんやCD屋さんに行ったことがある人ならわかると思いますが、音楽にはジャンルと言うものがあります。ロック、ジャズ、クラシックなどなど様々なジャンルがあるわけなんですけども。でも、そんな大まかなジャンルでは括れない個人的な趣味趣味ミュージックを細かく細かく掘り下げてしまおうというコーナーでございます。と、いつも通りのことを言ったんですけども、本日はスペシャルゲスト。この方にお越しいただきました。

(都築響一)はい。都築響一です。よろしくお願いします。

(常盤響)よろしくお願いします。どうも、ご無沙汰しております。

(都築響一)どうもどうも。常盤さん、あれですね。糸居五郎みたいなしゃべり方ですね(笑)。素晴らしい。滑舌が(笑)。呼んでいただいてありがとうございます。

(常盤響)お恥ずかしいです。いや、都築さんとは実は一度だけ、Dommuneでお会いしたというか、ご挨拶というか。

よく名前を間違えられる関係

(都築響一)よく名前を間違えられる仲ですよね(笑)。

(常盤響)それで非常にご迷惑をおかげしていると……

(都築響一)いやいや、こちらこそ。みなさん、質問をさせているんじゃないかという風に。

(常盤響)都築さんがたぶん97年に『TOKYO STYLE』を出された後に僕が写真集を出したんですけど。その後に、「あの部屋の写真集を持っています」っていう……

(都築響一)(笑)

(常盤響)『ROADSIDE JAPAN』とかで間違われることはないんですけど。「なんか女の子を部屋で撮ってますよね?」みたいなことを言われやすかったんですね。

(都築響一)うちにはさ、「脱ぐので撮ってください」っていう人は来ないですけどね(笑)。

(常盤響)そうですか(笑)。

(都築響一)残念ですねー(笑)。

(常盤響)そんなに……「響」という字だけが入っているだけなんですけども。

(都築響一)なんか、字面が似ているんでしょうね。

(常盤響)なんですかね。まあ、僕はちょっとありがたいぐらいなんですけど。

(都築響一)こちらこそ。よろしくお願いします。

(常盤響)というわけで、本日はなぜ都築さんにお越しいただいたか?っていうと、いま現在イムズの8階にある三菱地所アルティアムで都築さんの展覧会『僕的九州遺産』という素晴らしい展示が……

(都築響一)ちょうどこのスタジオの向かいみたいな感じですけど。前からなにかやったらどうか? みたいな話をもらっていたんですけども。で、この夏に東京の渋谷で1個、エロ系の展覧会をやってですね。それをそのまま持ってこようかな? とも思ったんですが。どうせなら、これまで20年ぐらい九州のネタっていうのをずいぶん掘ってきたので、それを一堂にまとめてみたかったっていうので。まあ、写真をメインに最初は考えていたんですけども、「そういえば……」と思って、いろいろ撮影した人たちが作ったもの。そういうものも持ってこれるかな。地元なら……ということで、九州の面白い人とか面白いことをやっている人、面白いもの、面白い場所。そういうものだけを集めて。九州の人たちに見てほしかったんですよね。

(常盤響)ああー、なるほど。

(都築響一)結局九州って、ずいぶん僕は好きで来ているんだけど、東京から見てもすごく面白いものがいっぱいあるのと同時に、地元の面白いものを面白がらないのが九州人だっていう気がするんですよ。

面白いものが多いのに、それを面白がらない九州

(常盤響)たしかにそうですよね。

(都築響一)たとえば、博多の人は東京の方は向くけど、佐賀は向かないじゃないですか。

(常盤響)たしかに。同じ福岡内でも、じゃあ筑後に行くか? とか。

(都築響一)行かないでしょう?

(常盤響)行かないんですよ。

(都築響一)でしょう。だけど、足元にすごい面白いものがある。たとえば、秘宝館だって九州には2つもあったのに、どっちも潰れてしまったでしょう? そういうものが……面白いものを大切にしない土地柄なんじゃないか?っていう気がして。それで、ぜひ地元の人に足元を再発見してほしいなということで。九州ネタのみでまとめてみたんですね。

(常盤響)なるほど。もう20年前の時の取材のものから……

(都築響一)今年撮ったものまで。

(常盤響)で、また前の場所にもう一度行かれたりとか。

(都築響一)それもやっていますね。

(常盤響)でも、見ている中でも、「あっ、もうあの警察犬の写真が撤去されているんだ!」とか。

(都築響一)そうなんですよ。ずいぶん移り変わりが激しいんですよね。なんか、インターナショナルスタンダードにはなるけども、ローカルの魅力が失われていくっていうのはすごい残念ですよね。

(常盤響)そうですね。だから、僕もやっぱりこっちにいて、こっち側の友達とかはああいうところ……たとえば不思議博物館とかも全然僕、知らなくて。単に、東京で撮影をしている着エロみたいなことをやっているアイドルの子から、「常盤さん、福岡なんですか? 不思議博物館、行かれました?」とかって、すごい推されて(笑)。


(都築響一)そうなんだ(笑)。

(常盤響)「一度行ってみたいんですよ!」みたいな。

(都築響一)そうでしょう? やっぱり、近いと人は行かないんじゃないですかね。

(常盤響)そうかもしれないですね。

(都築響一)なんかもったいないなと思いますね。だから今回、本当福岡県から鹿児島県までいろんなのを出してますけども。唯一出していない場所っていうのが、福岡市内なんですよ。あとはいろんなところが出ているんですけど。もう、小倉なんかいっぱい出てるし、いろいろ出ているんですけども。福岡は、たとえば日本で言えば東京は1割じゃないですか。あとは9割は地方でしょう? アメリカで言えば、ニューヨークは例外じゃないですか。だから、九州で言えば福岡はニューヨークなんですよ。全然アメリカを表していないわけよ。

(常盤響)ああー、たしかに。

(都築響一)福岡っていうか、博多・福岡市内っていうのは。だけど、トランプを生むような膨大なアメリカがあるように、膨大な九州っていうものがあるわけですよ。それが、なんか埋もれていったり消えていくのは残念だなっていう思いがすごいありますね。

(常盤響)たしかに、僕も5年ほど前に東京から福岡に引っ越してきまして。まあ、ある意味福岡の市内、特に中央区とか博多区の中心地、そのへんはあまり違和感なく住めたんですね。東京的な感じで。だから、そういった意味では非常に九州全域から人が集まって来ている東京的な場所なのかもしれないですね。ただ、一歩外に出ると……

(都築響一)うん。やっぱり30分ドライブするだけで全然違う九州があるわけじゃない? それが、見ていて歯がゆいっていう感じがすごくありますね。もっと行こうよ!っていう感じがすごく。

(常盤響)そうですよね。でも都築さんは麹町ですよね?

(都築響一)はい。生まれ育ちも東京なので。逆にこう、全ての地方が新鮮だったっていうとあれですけどね。まあでも、常盤さんだって同じ感じかもしれないけど。だから、別にバカにしているとかそういうんじゃなくて。行く機会がなかったじゃないですか。スキー場とかさ、京都みたいなところは別だけど。たとえば、若松市とかにですね、若松とかにはなんかないと行かないじゃないですか。

(常盤響)行かないですね。

(都築響一)だから、行くところ行くところ全てが新鮮で。「こんな近くに日本語の通じる外国があったのか!」っていう感じですよ。

(常盤響)そうですね。

(都築響一)だからそれを20年ぐらい前に自分の中で発見して。まだ日本というものを全く知らないなと。その興奮がいまだに続いているっていう感じですね。

(常盤響)ああー、なるほど。本当にそうですよね。96年でしたっけね?

(都築響一)そうですね。『TOKYO STYLE』っていうのをまず作ってですね、その後に「本当に地方って時々変わったものがあるよね。カエルの形をした鉢とか……みたいなものを雑誌でちょっとやってみよう」っていう短期連載で始めてみたのが7年間ぐらいになっちゃって。だから、そんだけ知らなかったっていうことなんですよ。インターネットもまだなかったし。『るるぶ』しかなかったもん(笑)。

(常盤響)(笑)

(都築響一)1人で『るるぶ』をハンドルのところにくっつけて、運転しながらずっと探していったらそれだけいっぱいネタがあったっていうことなので。本当に情報は東京の一極集中だな――いまだにそうだと思いますけども――だなっていうのを初めてわかった気がしましたね。それからいままであって、普通だったら僕は本業が雑誌で原稿を書いて、それがそのうち単行本になって……みたいな感じだったので。雑誌の企画がないと取材もできなかった。だって、取材して出さないわけにもいかないので。

(常盤響)そうですね。

(都築響一)でも、5年ぐらい前から自分のメールマガジンを始めたので。そうすると、別に自分がやろうと思えばできるわけですよ。それで加速度的にここ5年ぐらい、さらに地方を回る数が多くなって。毎月半分とは言わないけど、1/3ぐらいは確実に地方にいるんですけど。九州はやっぱり大物なんですよ(笑)。

(常盤響)なるほど(笑)。

(都築響一)だから、ねえ。本当に「九州いいよね」っていう気持ちが半分と、「いや、なにしてるの?」っていう気持ちが半分ですね。今回は。

(常盤響)たしかに。結構九州で県外に推したいっていうものが、果たして県外の人に魅力的なのか?っていう。行政とかが推すものに関してですけども。

(都築響一)本当ですよ。ねえ。だって、別にさ、たとえば外国からお客さんがいっぱい来るわけじゃないですか。別に買い物だけじゃないですよね。だからそういう時にね、面白いもの……たとえば、常盤さんだってパリに行くとかロンドンに行ったら、それは有名なものもいいけど、やっぱり地元のやつだけが好きな面白い場所とかって行きたいじゃないですか。ちっちゃいミュージアムとか、変なクラブとかさ。

(常盤響)はい、はい。

(都築響一)そういうのも見せてあげないと、リアルな九州ってわからないよね。食べているものとかも含めてね。

(常盤響)はいはいはい。というわけで、ちょっと九州つながりということで。一応音楽番組なんで。

(都築響一)そうだったんだ(笑)。

(常盤響)インスパイアを受けた、『僕的九州遺産』ということで九州のバンド。特に福岡のバンドなんですけども。演歌ロックのグループで一番星というグループがあるんですけども。曲は内山田洋とクールファイブの名曲『長崎は今日も雨だった』。それでは一番星で『長崎は今日も雨だった』、聞いてください。

一番星『長崎は今日も雨だった』



(常盤響)お送りした曲は一番星で『長崎は今日も雨だった』でした。

(都築響一)最高ですね(笑)。素晴らしい。

(常盤響)というわけで都築響一さんにゲストで来ていただいております。

(都築響一)ありがとうございます。ぴったりの選曲で。ありがとうございます。

(常盤響)今回の展示の中でも、囲ってあるコーナーが……

(都築響一)ああ、はい。18禁コーナーですね。おしゃれなアルティアムで最初で最後だと思いますけども(笑)。

(常盤響)僕も、特に福岡なんかは……東京ですと意外と周りでエロ本の仕事もやっているけど、おしゃれな仕事もやっているとか、そういう人もいたりしますし。まあ、いろんな人がいるわけじゃないですか。でもこっちに行くと、まずエロっていうものを生業にしている人がいないわけですよ。なもので、「どうやって食ってるんですか?」みたいなことも言われるんですけど。だから、ああいう場所でそのエロというものが。おしゃれなところに仕切られてあるっていうのが……

『神は局部に宿る』展

(都築響一)でもね、さっきちょっとだけ言った7月から8月に渋谷の真ん中のギャラリーで、それは僕がこれまで撮りためた秘宝館だとかラブホテルだとか、あとラブドールとかね。いろいろ日本のエロを……特に昭和っぽいエロを集めた展覧会をやったんですけど、それはね、1ヶ月ちょっとでね、1万人ぐらい来たんですよ。入場料千円もすんのに。それだけですごい額になっちゃうっていうね。

(常盤響)はい、はい。

(都築響一)で、その8割は女子なんですよ。

(常盤響)そうなんですよね!

(都築響一)で、そのうちの半分は僕の名前すら知らない人なんですよ。で、僕の展覧会は基本的に全部撮影をOKにしているので。もう、誰かが来て、インスタとかで「なんかエロかわいいのやってるよ!」みたいな感じで。そうするとまた、なんだかわからないけど来るみたいな子がすごいいて。だから、エロ好きっていうよりはいま、普通の女の子たちがああいうのを全然嫌がらないっていうか、かえって面白がるっていう感じですよね。

#エロトピアジャパン してきた✌🏻️ 秘宝館行きたいなぁ🔑💗 #神は局部に宿る #都築響一

🍑ᴍoᴍo🍑さん(@m_o_m_o_e)が投稿した写真 –


(常盤響)そうなんですよ。

(都築響一)だから、ラブホテルのインテリアとかにしても、面白がるのは女の子たちなわけですよ。だって、部屋を選ぶのも女の子たちだし、触れるラブドールコーナーとかも作ったんだけど、触るのは女の子たちばっかりだし。だから、たとえば常盤さんだって、別にいま、「じゃあヌードを撮ろうよ」っつってさ、恥ずかしがる子なんかいないでしょう?

(常盤響)そうなんですよね。僕も自分が、「モデル、どうやって探しているんですか?」ってよく聞かれるんですけど、いっぱい来るだけなんです。

(都築響一)簡単ですよね。本当に。

(常盤響)で、(ヌード写真を)見ているのも、女の子なんです。

(都築響一)そうだと思いますよ。本当に。あれ、下品じゃないじゃない。そのへんを……まあ、下品かもしれないけど。

(常盤響)それでも変わってきまして。昔は、結構3、40代の人は、ちょっとおしゃれっぽくヌードを撮ってほしいんですけど。やっぱり20代ぐらいになると、逆に下品な方がいいとか。

(都築響一)うん。ちょっと笑いが入っているとダメなんだよね。

(常盤響)そう。なんか、変わってきましたね。

(都築響一)でもさ、常盤響さんに撮られるのと、アラーキーさんに撮られるのでは心構えが違うと思うわけよ。やっぱり(笑)。だけど、僕もね、前に若い子たちの部屋を撮るのが好きなんで、部屋で脱いでもらうという。それを「部屋ヌード(ヘヤヌード)」っていうくだらない企画を一時やっていたんですが(笑)。

(常盤響)はいはいはい。

(都築響一)あのね、「脱ぐのが嫌だ」っていう子は1人もいないね。だけど、「部屋がいま汚いからちょっと……」っていう子はいるわけよ。だからさ、身体なんでもうプライバシーじゃないんですよね。部屋の方が……「部屋にコンビニ袋がいっぱい散らかっているから恥ずかしい」みたいな方がプライバシーっていうか。人に見せたくない自分っていう感じ。身体なんか別に……っていう感じですよね。

(常盤響)そうですね。

(都築響一)だから、そういう意味から言うと、秘宝館ね。さっき言ったように、九州には嬉野と別府とあったわけですけども。まあ、なくなるっていう話が出てからぐらいは、本当に若い女の子がわざわざ東京から行くとか。北海道から行くとか。いろんな子たちがすごい来ていましたよね。

(常盤響)そうみたいですね。

(都築響一)だからもう、昔の大人のエロを女の子が最近面白がるとかそういうレベルじゃなくて。ねえ。好奇心の1つの発露の仕方として、そこにエロもあったというぐらいの感じですよね。

(常盤響)そうですね。僕も、この『僕的九州遺産』をアルティアムに見に行った時も、その時にいたお客さんは5、6人で、みんな女性なんですよ。で、この小部屋に入りましたら、もう先客の女性が3名ほどいまして。

(都築響一)(笑)

(常盤響)そうすると、なんか女性の中でこういうのを見るのはまた……独特の緊張感と言いますか。

(都築響一)そうなんだ(笑)。

(常盤響)でも、女の人は全然気にしないですもんね。

(都築響一)それは電車の女子専用車両に入ってしまったみたいな感じ?(笑)。

(常盤響)そうなんですよ(笑)。

(都築響一)動きに気をつける、みたいな(笑)。でも、それぐらいみんなね、こだわりがないですからね。だから、そんなのもっとどんどん壁を取っぱらってやればいいと思うんですよね。

(常盤響)そうなんですよ。ですから、本当企業とか、おじさんの方がそういうのを変に気を使っている部分があって。

(都築響一)そうですよね。別のところに気を使え!っていう感じなのね(笑)。それは、ねえ。ラブホテルの話とか、そんなの誰も気にしませんよ。で、一方やっぱり昭和的なラブホテルのインテリアだのいろんなものはどんどんなくなって。まあストリップ劇場がなくなっていったりとかね、そういうこれまであった性風俗の形みたいなのがデザインからしてもどんどんなくなっているので。そのへんは本当に押さえておきたいというかね。保存することはできなくても、せめて記録することはできる。たとえばいま、赤線跡とかがブームじゃないですか。あれ、ほとんどが女の子ですもんね。

(常盤響)そうですね。

(都築響一)あんたが赤線跡を見てどうすんの?っていう感じなんだけど。「建物がかわいい」とか、なんかそういう感じで行っちゃうわけじゃない。

(常盤響)そうなんですよ。だからよく、「そういう場所で撮影できませんかね?」って言われて。「私が娼婦的な感じで……」って言われるけど、そういうところに行くと地回りの人にすっげー起こられそうだからって、結局……(笑)。

(都築響一)(笑)。本当ね、あっちの方が詳しいみたいなね。だから、たとえばね、本当にどこのビデオ屋に行ってもいまだに18禁コーナーの前にはピラピラがあって入りにくいみたいなことをやっていますけども。もっとうまい形でね、そういう大人の文化と子供の文化が交われば面白いことがいっぱいできるなと思いますね。

(常盤響)たしかにそうかもしれないですね。

小倉の素晴らしさ

(都築響一)で、九州はそういうのが本当にいっぱいあったでしょう? だから、ストリップ劇場だってね、たとえば別府のやつが潰れたとかあるし。小倉は、僕は実は九州で住むなら福岡市じゃなくて北九州市に住みたいんですけど。小倉がすごい好きで。小倉だって、まだ駅前にストリップ劇場があって。

(常盤響)小倉A級劇場が。

(都築響一)でしょう? で、その横には日本でいま3軒しかない薔薇族映画館っていうのがあるわけじゃないですか。それね、もう東京にもないんですよ。

(常盤響)あ、もう上野とかもなくなって?

(都築響一)上野はなくなったので、いま横浜と広島と小倉にあるっていうですね、その貴重さを君たちはわかっているのか?って思うんですけども(笑)。まあ、「別になくなってもいい」って言われりゃあ、それまでだけどさ。だけど、そういうのがどんどん潰れて、どうでもいい商業ビルになっていくっていうのは本当に悔しいですね。

(常盤響)僕はだから、最初福岡に来た時、ちょっとびっくりしたんです。あの中洲に、昔はロック座系のがありましたよね? で、もうないわけですよ。だからもう、そういうものとか、あと赤線とかも、いまは福岡市にはないんだっていうんのがちょっとびっくりしました。

(都築響一)そうですね。この間、若松に行ってキャバレーの話をいろいろ聞いていたんですけども。いま、グランドキャバレーみたいなのがもう皆無じゃないですか。福岡なんかいっぱいあったはずなのに。だから、もちろん北九州だってないわけですけども。東京にはチョロリと残っているわけですよ。だけど、福岡なんかはいっぱいあったのに全部ないっていうのがね、本当に……それを写真に撮って記録している人すらいないっていうのがすごいもったいない。

(常盤響)もったいないですね。

(都築響一)だからやっぱり、特に九州の北部っていうのは昭和の時代にすごい栄えたところですよね。本当に日本の産業の基盤を担ったわけだから。お金もいっぱい動いていたわけじゃないですか。だから昭和遺産みたいなのっていうのは日本有数にあるはずですよね。だけど、そういうのを調べる人も少なければ……たとえばレトロなものを求めて来る女子なんかはいっぱいいるわけですよ。そのためのガイドすら、あまりない。で、どんどん壊れていくっていうのは本当に悔しいなと思いますね。

(常盤響)たしかにそうですね。でも本当にいま、女性ですよね。昔、大牟田のふじとかのイベントでDJをやったんですけど。やっぱりそういう機会があると中を見たいっていう女の子のお客さんがいっぱいですもんね。


(都築響一)だってあそこだって大牟田の飲み屋街は完全に壊滅状態でしょう? 全部シャッター通りじゃないですか。そこの元キャバレーを(ふじは)ライブハウスにしているわけじゃない? で、ノイズとかなわけじゃないですか。僕も最初に行った時にノイズバンドの日で。夕方からやるわけじゃないですか。そうすると、女子高生とかがセーラー服で来て、モッシュとかをしているわけですね。それ、東京だったらやった瞬間にそこは閉店ですよ。そんなもん(笑)。

(常盤響)そうですね(笑)。

(都築響一)「えっ、これ女子高生がセーラー服で、パンツ見えてるんですけど……」みたいな感じで暴れていて。そのうち、赤ちゃんを抱えた若いお母さんとかが来るわけじゃない? 「それ、赤ちゃんに絶対悪いと思うんですけど……」って(笑)。そうするとまた、中学生みたいな子が「家庭科でチョコレートを作りました」みたいな感じでタッパーウェアとかを持ってきて、みんなに配っているわけですよ。

(常盤響)(笑)

(都築響一)で、もう音はダダ漏れ。だけど、他が全部閉店しているから大丈夫、みたいな。こういうのはさ、もう地方でしかできないことですよね。だからそういういまね、常盤さんなんかは本当にお分かりだと思うけど。東京ではすごいお金がかかってできないことが、地方だからこそできるっていうものはすごいいっぱいありますよね。だから、本当地元でどんどんいろんなものを作っていってほしいなって思いますね。

(常盤響)はい。でもなかなか、気がついてくれない部分なんですかね。そのお宝に。

(都築響一)そうなんだよね。

(常盤響)だからやっぱり、人とか場所とかも面白いところはいっぱいあるんですけど。やっぱりそれをチョイスする人っていうか。でも、都築さんがこうやって回られるようになって、やっぱりそれはずいぶん意識が変わったと思うんですよね。

(都築響一)うん。わからないけど、やっぱりいつも地元の人に「足元を見ろよ」って言っているんですけど、なかなか見れないと。でも、やっぱりそれはさ、外からの目を持たないとダメだと思うわけよ。だから、ずっといたらわからないじゃないですか。たとえば、一生唐津にいたら、それはわからないですよ。良さは。だから若い内にいろんなところに住むといいと思うんだよね。別に東京だけじゃなくて、外国に行ったりとかさ。で、自分のホームタウンなり何なりを外から見る目を持ったら、わかってくると思うんだよね。

(常盤響)ああー。

(都築響一)やっぱりずっと一所に暮らしていると、やっぱりね、水が腐るのと同じように人も腐りますよ。

(常盤響)たしかに、そうですね。

(都築響一)だから今回の展覧会も、もう本当に本当に九州のことしか出していないので。だって、たとえばみんなまずいちばん驚いてくれるのは小倉の成人式の衣装なわけですよ。

(常盤響)はいはいはい。みやびさんの。


(都築響一)だけどさ、この博多から小倉なんて、新幹線で15分ですよ。東京・横浜より近いくらいじゃないですか。けど、行かないでしょう? 毎年、あれをやっているのに。見たら、すっごい面白いのに。レイブみたいなもんじゃないですか。

(常盤響)そうですよね(笑)。

(都築響一)とてつもない。なんか、バーニングマンみたいな感じなわけですよ。だけど、(バーニングマンが開催される)ネバダの砂漠には行っても、小倉には行かないっていう。

(常盤響)たしかに。よっぽど近いのに。

(都築響一)いや、すっごい近い。日本語も通じるのに(笑)。だから、ねえ。本当に面白いものだらけなのにな!っていう気がすごくする。だから、逆にこっちが面白がってくれると、あちらもすごい協力的なんですよね。今回も本当に、ただ写真に撮るだけじゃなくて、実物の衣装を持ってきて、1日がかりで着付け師の人が3人着て、着付けてくれたし。僕たちは着付けられないですから。そういうことも含めて、いろんな方たちがすごい協力してくれましたね。一銭の得にもならないのに。

(常盤響)(笑)

(都築響一)だからそんだけ、普段評価がないっていうことですよね。

(常盤響)そうですよね。

(都築響一)だって、北九州なんか「弾丸が飛び交う」ぐらいしかみんな思っていないでしょう? だけど、すっごいクリエイティブなシーンがいっぱいあるのにね。もったいないな。本当に。

(常盤響)そうですね。というわけで、最後にLOVE FMのリスナーに展覧会の呼び込み的な話をちょっと……

(都築響一)ありがとうございます。本当にさっきも申し上げたように、みなさんの地元の話がすごい多いので。別に東京に来ても、パリに行くのも全然いいけども、同じような感じで地元も見直してくれたら絶対にいいなと思うのね。それから、いつもはどこか別の都会で働いていて、お盆と正月に嫌々実家に帰る人もいると思うわけよ。その時に、ちょっと視点を変えてくれたら面白い……今度帰るのが楽しみになったりするじゃない。それだけだってさ、やっぱり世界は違って見えるんだよね。だから、そういうことのひとつのキックスタートじゃないけど、ひとつの背中を押すような機会になってくれたらなと思います。

(常盤響)はい。わかりました。ぜひぜひ展覧会、見に行ってください。というわけで、本日のゲストは都築響一さんをお迎えしました。。ありがとうございました。

(都築響一)はい。ありがとう。はい。

<書き起こしおわり>

サイプレス上野 DJ KENSAWを追悼する

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サイプレス上野さんがFM yokohama『BAY DREAM』の中で亡くなった大阪のDJ KENSAWさんを追悼。『OWL NITE』を選曲しつつ、KENSAWさんとの思い出を話していました。

(サイプレス上野)さあ、お送りした曲はDJ KENSAWでね、『Owl Nite』でございますけども。

DJ Kensaw feat Owl Nite Foundation’z『Owl Nite』



(サイプレス上野)大阪の重鎮、LOW DAMAGEのKENSAWさんがお亡くなりになってしまいまして。俺、めちゃめちゃショックなんですけども。この曲とかっていうのは、いわゆるこっちでLAMP EYEと雷による『証言』とかが出た後に、関西のシーンっていうのがまだこっちに伝わってきていない。大阪とかの日本語ラップのシーンが。そこで、これがバーン!って来て。「大阪のラッパーってヤバいし。なにこれ!」みたいな。「大阪版の『証言』だ」みたいな言われ方をして。もう、凄まじい勢いで俺たちの周りにも広まっていって。

(遠藤舞)へー!

(サイプレス上野)「大阪のラッパー、めちゃめちゃかっこいいし、DJ KENSAWとかなんなんだ!」みたいな感じになっていって、俺も高校の時にTシャツとか通販で取り寄せたりするぐらい、この人を好きで好きで。で、自分がやるようになった時に大阪で仲良くなったら、あるイベントに行った時に、夕方のイベントだったんだけど、ずっとバーカウンターでなぜか酒を飲んでいるのよ。で、「何やってるんですか? オジキ」みたいな感じで言ったら、「いや、お前らのリハを見に来たんや」って。

(遠藤舞)へー!

(サイプレス上野)「リハ? なんで? 本番じゃないんですか?」って言ったら、「本番を見れないから、リハを見に来た。お前らのライブ、好きだから」って。で、ずーっと泥酔していて。もう夕方から。で、リハを見たら本当にどっか行っちゃって。で、その後も何度もご一緒させてもらって。俺と吉野がレコードでね、ライブをやるから。パソコンとレコード、両方なんだけど。やっていたら、「お前ら、めっちゃ渋いやん。レコードか!」って言われて。で、その日、別に俺、レコードでやるつもりなかったの(笑)。ただ、整理してたのよ。吉野と。「で、これはKENSAWさんに言われたら、もう絶対にレコードでやるしかない!」ってなって……

(遠藤舞)「やるっきゃない!」って(笑)。

(サイプレス上野)急に変えて。で、終わって。「KENSAWさん、見てくれましたか?」っつったら、「ん? ライブ? 終わったん?」とか言われて。「いや、いま終わりましたよ」って言ったら、「上におったわ」って言われて(笑)。VIPルームで酒飲んでいたっていう(笑)。

(遠藤舞)へー! 理不尽ですね。

(サイプレス上野)だけどそういう超自由人だから。そういうことをさせてくれたね、偉大なる大先輩。R.I.Pということで、かけさせていただきました。これ、まだレコードとかね、中古屋さんとかに行ったら掘れる可能性があるんで。フクロウの……真っ赤な目をしたフクロウを見たら、即ゲットしてください!


<書き起こしおわり>


ジェーン・スー 『逃げるは恥だが役に立つ』を語る

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ジェーン・スーさんがTBSラジオ『生活は踊る』の中で最近ハマっているドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』について、蓮見孝之さんと話していました。


(蓮見孝之)まあ、(洗濯は)メインは妻がやってくれてますけどもね。

(ジェーン・スー)そうだね。奥さんの話も聞きたいね。いやー、やっぱりね、いろいろ……家事……『逃げ恥』みたいなことを(笑)。

(蓮見孝之)(笑)

(ジェーン・スー)ちょっと長くなっちゃうから、この話はまた今度にしようかな?

(蓮見孝之)どっかでしたいな、でも。

(ジェーン・スー)ねえ。『逃げ恥』ね。

(蓮見孝之)いま夫婦でぜひ見てほしいドラマでもありますからね。

(ジェーン・スー)本当に。ドラマだけじゃなくて、漫画も面白いのよ。どこまでドラマでやるのかわかんないから言えないけど、漫画読んでほしいな。漫画。

(中略)

(ジェーン・スー)練馬区の女性の方です。(投稿メールを読む)「スーさん、蓮見アナ、こんにちは。番組冒頭で『逃げ恥』の話をしていましたが、私も今季のドラマでいちばんハマっています。主演のガッキーと星野源さんが、まあかわいい! 石田ゆり子さんも藤井隆さんも古田新太さんも面白くて、最高に火曜日の夜が楽しくて待ち遠しくて仕方ありません」。わかる!

(蓮見孝之)わかるねー!

オンタイムで見たい派

(ジェーン・スー)私もね、蓮見さんも『逃げ恥』を見ているんですね。で、やっぱりオンタイムで見たいから、すっごい急いで帰るわけ。

(蓮見孝之)ああー、じゃあ、10時に合わせて?

(ジェーン・スー)火曜日だけはすっごい急いで帰る。

(蓮見孝之)やっぱりリアルタイムでドラマを見る習慣づきますよね。

(ジェーン・スー)わかる、わかる! そうなんですよ。『逃げ恥』はだからとにかく……テレビしか見ていない人もあると思うんですけど、大きなテーマが別にあるんで。ぜひ漫画を! 終わってからでもいいんで……って思ったら、昨日Amazonを見たら『逃げ恥』の漫画が中古以外全部、売り切れだったよ。Kindleはあったけど。

(蓮見孝之)えっ、いまドラマをやっている最中なのに?

(ジェーン・スー)やっている最中だからだと思う。

(蓮見孝之)漫画を買っちゃうんですか?

(ジェーン・スー)この間、8巻が出て8巻を買おうと思ったら……「本屋さんに行かなきゃ!」って。

(蓮見孝之)だって漫画を読んじゃうっていうことは、ストーリーをある程度網羅しちゃうっていうことでしょ?

(ジェーン・スー)それでも面白いのよ。この間、それを『重版出来!』でよくわかったの。漫画はわかっていても、逆に……たとえば私、二話がちょっと頭、欠けたんだよね。だけど、読んでいるから「ああ、もう1回見逃しちゃったから、もう見る気ないわ」みたいにならないんですよ。

(蓮見孝之)そういうためにか!

(ジェーン・スー)かつ、面白いから。『重版出来!』も『逃げ恥』も面白い。たしか、脚本の方が一緒の方だと思います。

(蓮見孝之)ああ、そうなんですか。じゃあ、この後、今度は第四話ですけども。もう見えてます? なんとなく。

(ジェーン・スー)予告を見て、なんとなくわかるんだけど。でもね、ちょいちょい漫画とは違うところが差し込まれていたりして、そこが面白いんですよ。

(蓮見孝之)へー!

(ジェーン・スー)いや、私最近気になってしょうがない。そのね、愛とか家族とかっていうことで、本来なら金品が支払われておかしくない労働に対して支払われないとか。あと、家族というので全額給料を預けるとか。いろんなシステムが愛だ恋だっていうこととちょっとね……まあ、いいや。ちょっと、行こうか。

(蓮見孝之)はい。まあ『逃げ恥』の話題、もしメッセージがありましたら、ぜひ我々にも読ませてください。

(ジェーン・スー)はい。お待ちしています。

(中略)

(ジェーン・スー)メールをいただいております。(投稿メールを読む)「『逃げ恥』、見ています。ガッキー、かわいいです。第一話を見たところでKindleに駆け込み、1巻のサンプルから芋づる式に全巻読んでしまいました。ひとつ失敗だったのは、まだ続いているお話だったこと。次のコミックが出るのを首を長くして待たなくちゃ!」ということで。8巻が10月の中旬ぐらいに出ているんで。まあ、ずいぶん、もうちょっと先でしょうね。あるよね、これ、どこまで行くかね。

(蓮見孝之)うーん。

(ジェーン・スー)どこまで……でも、あの役があのタイミングで出ているっていうことは……漫画のあそこを端折るのかな? とかいろいろとね、楽しみにしているんですけども。

(蓮見孝之)でも、家の中に新垣結衣さんがいたらですよ! これはたまらないね、これは!

(ジェーン・スー)石田ゆり子さんと新垣さんとが親族なわけじゃないですか。で、訪ねてくるわけですよ。

(蓮見孝之)もう、最高ですね! 石田ゆり子さんと安田成美さんと大塚寧々さんって、僕の中で最強の……小さい頃から、もう大好きな女優さんなんで(笑)。

(ジェーン・スー)ガッキー、入ってないじゃん。

(蓮見孝之)いや、新垣さんはもう、また違いますよ。

(ジェーン・スー)誰が好きなのか、深掘りしたいですね。今度。八王子市、48才女性の方。(投稿メールを読む)「『逃げ恥』情報です。土曜日の夕方に『逃げ恥』のダイジェスト版が放送されるそうです。私は第二話しか見ていないので、さっそくタイマー録画のセットをしました」って。結構見てますね。みなさん、『逃げ恥』を。


(蓮見孝之)ありがとうございます。

(ジェーン・スー)というわけで、まあ気になった方は見ていただいたらいかがでしょうか。

<書き起こしおわり>

松尾潔 ロッド・テンパートン追悼特集

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松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でロッド・テンパートンを追悼。『メロウ・テンパートン』と題し、彼の名曲の数々を振り返っていました。


(松尾潔)10月最後の放送となります今夜の『松尾潔のメロウな夜』。先ごろ、60代の若さで亡くなりました、イギリスを代表する、いや、世界のポップミュージックシーンを代表すると言っても、この人に関しては過言ではないでしょう。名作曲家、プロデューサー、キーボーディスト、ロッド・テンパートン(Rod Temperton)を追悼する1時間、お楽しみいただきたいと思います。

実はロッド・テンパートン、1947年生まれ説、49年生まれ説ございます。まあ、いずれにせよ60代後半だったということになりますが、なんにせよこのロッド・テンパートンがその名前の一般的な認知度と比べて、彼の生み出した作品。その人気たるや凄まじいものがございます。もしかしたら、ロッド・テンパートンという名前を初めて今日、耳にされる方もいらっしゃるかもしれません。もしかしたら、あなたが口ずさめる曲はこの人がいちばん書いているかもしれませんね。まず、彼の作品の中で僕がもっとも好きな曲。その曲からスタートしたいと思います。

マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の曲として名高い『Baby Be Mine』。かの『Thriller』に収められていた曲です。マイケル・ジャクソンのバージョンではなく、今日はまずこちらを聞いていただきたいと思います。オランダの音楽シーンが誇る大変に多彩な才能を持った女性シンガー、トレインチャ・オーステルハウス(Trijntje Oosterhuis)。この番組でご紹介するのは2回目ですけども、トレインチャ・オーステルハウスの歌う『Baby Be Mine』。では、こちらでスタートです。

Trijntje Oosterhuis『Baby Be Mine』


Patti Austin with James Ingram『Baby Come To Me』



今月、10月上旬に60代の若さで亡くなりました名ソングライター、ロッド・テンパートンを偲ぶ追悼特集をお届けしたいと思います。まず、2曲お聞きいただきました。オランダの女性シンガー、トレインチャ・オーステルハウスによるマイケル・ジャクソンのカバー『Baby Be Mine』。そしてパティ・オースティン(Patti Austin)とジェームズ・イングラム(James Ingram)のデュエットで『Baby, Come To Me(あまねく愛で)』。2曲続けてお届けしました。『Baby Be Mine』は全米ナンバーワン。といいますか、世界史上ナンバーワンアルバム、マイケル・ジャクソンの『Thriller』に収められていた1曲。そして、パティ・オースティンとジェームズ・イングラムのデュエットは全米ナンバーワンシングルですね。1981年の作品です。こんな曲がナンバーワンを取る時代がつい30数年前にあったんですね。

もう、初めから「お子様のご入場をお断りします」と言わんばかりの1曲です。そんな時に、まだ中学生の僕は背伸びをして、ごまかしてその館に入っていたという、そんな記憶がございます。これは7インチのね、ドーナツ盤で買いましたね。ですからいま、スルッと『あまねく愛で』っていう日本語タイトルが出ちゃったんですけども。


まあ、いま考えてみますと、メロウという概念。その定義付けさえままならない時期に究極のこのメロウマッドネスあふれる1曲を聞いていたんだなという。まあ、「聞いていた」というよりも、「溺れていた」という言い方が正しいかな?っていう気がいたしますね。そんな同世代のリスナーの方、多いんじゃないでしょうかね? マイケル・ジャクソンという人自身がそうなんですけども、ファンクなところと、まあどんどんロックなところも増えていきますけども。あともうひとつは、やっぱりメロウな側面っていうのが彼の魅力を立体的にしていたと思うんですが。つまり、ファンキーなところ。そしてメロウなところ、双方からバックアップしたソングライターがロッド・テンパートンなんですよね。

ロッド・テンパートンという人はイギリスの人でございまして。まあ、ドイツを中心に最初活動をしていたヒートウェーブ(Heatwave)というファンクバンドがありましたけども。そのヒートウェーブのキーボーディスト、そしてメインソングライターとして世に出てまいりました。これが70年代のことです。ヒートウェーブはドイツ発信……まあいわゆるUKソウルの文脈で語られることが多いんですが、アメリカにも人気はすぐに届きました。メンバーにアメリカ人がね、いた多国籍軍だったので。初めから、本当にいまの時代を先取りするような越境をしやすい音楽性でもあったんですが。そこに目をつけたのが、アメリカ音楽シーンの大物。もう当時からすでに大物だったクインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)でございます。

クインシー・ジョーンズは「LAに来いよ、LAに来いよ」と、もうささやき戦法なのか、大声で言ったのかはわかりませんけども。ずっとロッドを誘って。で、ロッドもずっとヒートウェーブを、それでもすぐにやめたわけじゃないんですが、最終的にはLAミュージックシーンのど真ん中に踊り出てきました。パティ・オースティンとジェームズ・イングラムのこの曲を書いた頃なんていうのはもう本当にロッド・テンパートンがイギリス出身とかっていうことを問われない時ですよね。まあ、マイケル・ジャクソンの『Off The Wall』というクインシー・ジョーンズにとってもキャリアを一変させることになるメガヒットアルバムのメインソングライターだったロッド・テンパートン。プロデューサー、クインシー・ジョーンズとの二人三脚の黄金の日々が続くわけなんですが。その、クインシー御大の作品にも、もちろんロッド・テンパートンはたくさんの名曲を届けております。

続いて、聞いていただく曲は本当にこのロッド・テンパートンのメロウな完成が炸裂した曲ですね。聞いてください。1990年にリリースされたシングル『The Secret Garden (Sweet Seduction Suite) (Part II)』。

Quincy Jones feat. El Debarge & Barry White『The Secret Garden (Sweet Seduction Suite) (Part II)』



クインシー・ジョーンズのアルバム『Back on the Block』の中に収められていた『The Secret Garden』というそれはそれはメロウな1曲。アルバムバージョンではクインシー・ジョーンズの名のもとにアル・B・シュア!(Al B. Sure!)、ジェームズ・イングラム、エル・デバージ(El DeBarge)、そしてバリー・ホワイト(Barry White)という4人の、それぞれに異なる魅力を持った男性シンガーが一堂に会していたわけなんですが。いまお届けしたのは、これはシングルのみで出たバージョンでございまして。エル・デバージとバリー・ホワイトの2人に焦点を当てた、ちょっと短めのバージョンとなっております。『(Sweet Seduction Suite) (Part II)』をお楽しみいただきました。なぜなら、こちらの方がメロウだから。はい。

まあもう、番組がスタートしてまだまだ前半ですが、もう今日のこの番組タイトル『メロウ・テンパートン』という言葉に込めた僕の意図というのは十分すぎるぐらいに伝わっているんじゃないかと思います。実際、今回の選曲は悩みました。迷いました。追悼特集をこの番組でやるのは、プリンス(Prince)、カシーフ(Kashif)に続いて3回目なんですね。
松尾潔 プリンス追悼特集『メロウ・パープル』
松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』でプリンス追悼特集『メロウ・パープル』を放送。プリンスからの影響を受けて誕生した楽曲たちを選曲し、紹介していました。 ...
松尾潔 カシーフ追悼特集
松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中で、亡くなったカシーフを追悼。彼の手がけた名作の数々を紹介していました。 (松尾潔)今夜の『メロウな夜』は先週の番組...

まさか、こんなに追悼を何度もやる2016年になるとは思いませんでした。残念なことですけども。ですが、音楽家にとって本当の死というのは、その音楽が聞かれることがなくなった時と定義するならば、ロッド・テンパートンはいまも生きていますし、これからも生き続けるんじゃないかなと。そして僕、そのロッド・テンパートンの音楽に大変お世話になって、夢も与えられた人間です。この曲のひとつひとつが生き長らえる、そんなお手伝いとなるのであれば、今日の『メロウな夜』、最高なんですが……いかがでしょうか? これから、ロッド・テンパートンのメロウというよりも、ファンキーサイドですね。それでも常に、メロウの雫は滴り落ちてますけども。ファンキーサイドのヒット曲、名曲をギュッと凝縮してお届けしたいと思います。10曲以上ございます。曲名は、あとでご紹介しましょう。まずは、こちらでスタートです。デボラ・コックス(Deborah Cox)『Love Is On The Way』。

Deborah Cox『Love Is on the Way』



いかがだったでしょうか? 一生懸命選んで、一生懸命作りました。もちろん、この『メロウな夜』が誇るスタッフの力も120%借りて作ったメドレーです。まあ、「メドレー」っていま僕、言いましたけども、もうここはあえて「ヒットパレード」と申し上げたい。まあ、ヒットした曲ばかりじゃないんですけども、心のヒット曲もたくさん入っております。まず1曲目にご紹介したのはデボラ・コックスの『Love Is On The Way』でした。この曲自体はスティービー・J(Stevie J)という90年代の代表的なプロデューサーの1人、彼がイニシアチブを取って作った曲なんですが。曲の冒頭で、マイケル・ジャクソンの『Rock With You』をデボラが熱唱しておりました。

こういうね、モータウン・レジェンドに対して、まあ自分が子供の頃に好きだった人に最初にリスペクトを示すっていうのはもう本当にR&Bスタイルですね。アン・ヴォーグ(En Vogue)が『Hold On』という曲の頭でスモーキー・ロビンソン&ミラクルズ(Smokey Robinson & The Miracles)の『Who’s Loving You』を歌いましたけども。あの『Who’s Loving You』っていうのもマイケル・ジャクソンのジャクソン5(The Jackson 5)のバージョンがおそらくはお気に入りだったんじゃないかなという風に思います。アン・ヴォーグも。同じようにデボラ・コックスもやっぱりマイケルがアイドルで。で、マイケルの曲の一節から始めるんでしょうけど、作者がスモーキー・ロビンソンからロッド・テンパートンに変わっているというのがこれ、90年代の後半の感じがすごく出ていますよね。ですが、スモーキー・ロビンソンほどロッド・テンパートンって語られることがないんで。今日、初めて名前を聞いたという方、もうぜひ覚えてくださいね。じゃあ、曲名を一気にご紹介しますね。

デボラ・コックス『Love Is On The Way』。そしてザ・ジャクソンズ(The Jacksons)『Rock With You Live Version』。

The Jacksons『Rock With You Live Version』



ヒートウェーブ『Boogie Nights』。

Heatwave『Boogie Nights』



ルーファス&チャカ・カーン(Rufus & Chaka Khan)で『Masterjam』。

Rufus & Chaka Khan『Masterjam』



ザ・ブラザーズジョンソン(The Brothers Johnson)『Stomp!』。

The Brothers Johnson『Stomp!』



クインシー・ジョーンズ feat. パティ・オースティンで『Razzamatazz』。

Quincy Jones & Patti Austin『Razzamatazz』



ジョージ・ベンソン(George Benson)で『Love X Love』。

George Benson『Love X Love』



マイケル・ジャクソン『Off The Wall』。

Michael Jackson『Off The Wall』



ドナ・サマー(Donna Summer)で『Love Is In Control』。

Donna Summer『Love Is In Control』



アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)で『Living In The Streets』。

Aretha Franklin『Living In The Streets』



ザ・マンハッタン・トランスファー(The Manhattan Transfer)で『Spice Of Life』。

The Manhattan Transfer『Spice Of Life』



ボブ・ジェイムス(Bob James)で『The Steamin’ Feelin’』。

Bob James『The Steamin’ Feelin’』



そして、マイケル・ジャクソンで『Baby Be Mine』と続けてみました。

Michael Jackson『Baby Be Mine』



すべて、ロッド・テンパートンという男が編み出したメロディーと思うと、もう大変なことですね。まあ、ロッド・テンパートン。本当に静な生活を好む人だったようで、仕事は派手に。私生活は地味にというのを本当に全うした人なんですね。で、もちろん大変なリッチマンでもございましたから、世界中にお屋敷をいくつか持っていたそうで。まあ、季節に合わせてそこを巡っていたそうですよ。そういう優雅な生活を送っていたそうなんですけども、その作品というのは常に聞く人のライフステージを選ばないような、どんな人のどんな時間にもフィットする曲をちゃんと書いてくれているという、もう職業作曲家……この人は作詞もしますね。職業作家として本当にお手本のような方でございます。

最初に世に出てくるきっかけとなったヒートウェーブっていうのが、まあ実際のところボーカルが僕は好きな味わいですけども、万人が「この人は上手いね!」っていうタイプのシンガーではなかった。そこがね、幸いしたのかな?っていう風に僕は思いました。この特集をやるにあたって、おそらくこの半月……3週間ほどでしょうか。日本で最もロッド・テンパートンの曲を聞いた男っていう……これはもう、僕は自分で認めますけども(笑)。その僕がいま思うのは、最初のキャリアの起点がね、特別に万能なボーカリストのメンバーではなかったことが彼に幸いしたなと思います。それはどういうことか?っていうと、天才が熱唱しなくても、もう誰が口ずさんでも、鼻歌レベルでも普遍的に価値が伝わるような。そんなメロディーを紡ぐ訓練になったんじゃないかと思うんですね。

そしてそれに目をつけて自分の近いところに引き寄せたクインシー・ジョーンズとのこの邂逅。その時にちゃんと心を開いたという、そういう彼の、ロッド・テンパートンの柔軟性。いろんなことが惑星直列のように、いろんな条件が重なって、僕らはこの地球にマイケル・ジャクソンの『Thriller』というあの奇跡的な名盤が産み落とされるのを目撃することになるわけですね。いや、本当に。思いますよ。これ、皮肉で言うわけじゃなくて、ヒートウェーブのボーカリストが本当に、たとえばジェームズ・イングラムみたいに歌えるタイプだったり、マイケル・ジャクソンみたいに、あんなに華のある人だったりすると、決してそのグループを離れることはなかっただろうなと思いますからね。面白いお話です。

さて、いまヒットパレード。主にファンキーなものを中心にお届けしましたが、彼はまた一方でスロウジャムの帝王でございます。なにしろ、メロウな雫がいつも滴り落ちていた人なので。じゃあ、続いてお届けしますのは、マイケル・ジャクソンのカバーをもうひとつ、ご紹介させてください。ルー・ロウルズ(Lou Rawls)という、まあフィラデルフィアソウルシーンの重鎮であり、ジャズの世界の住人でもありましたルー・ロウルズ。彼の『The Lady In My Life』。大変に渋いカバーですね。もちろん、オリジナルはマイケル・ジャクソンの『Thriller』に収められておりました。では、渋~い歌声を聞いてください。さっき聞いたバリー・ホワイトとどっちが声、低いでしょうか? ルー・ロウルズで『The Lady In My Life』。

Lou Rawls『The Lady In My Life』


Quincy Jones ft. Tamia, Babyface, Portrait & Barry White『Slow Jams』



ロッド・テンパートンの追悼特集をお届けしています。『メロウ・テンパートン』。ご紹介したナンバーはスロウジャムの帝王ぶりを示すに十分な2曲。ルー・ロウルズで『The Lady In My Life』。そして、クインシー・ジョーンズ feat. ベビーフェイス&タミア、ポートレイト&バリー・ホワイトというメロウな夜オールスターズをお届けしました『Slow Jams Remix』。リミックスを手がけるのはジョデシィ(Jodeci)のミスター・ダルヴィン(Mr. Dalvin)でございました。これ、クインシーの『Q’s Jook Joint』っていう90年代の名盤に収められていますが、アルバムの中ではタミアではなく、SWVが歌っているんですよね。で、これをシングルカットするにあたってSWVのボーカルが当時のクインシーの秘蔵っ子であるタミアに差し替えられていまして。で、その経緯について僕、95年だったか96年だったかにSWVのメンバーに聞いたんですけども。僕が「あれ、なんでシングルの時っていうのはタミアに変わっていたんですか?」って聞いたら、「私が知りたいわよ!」ってリードシンガーのココ(Coko)さんに怒られたっていう、そういう苦い思い出がございます。

さて……(笑)。メロウな曲が続きましたんで、ちょっとそういう話も挟みましたけども。『The Lady In My Life』、これルー・ロウルズのカバーで出たのが84年なんですけども、その2年前の『Thriller』にこんな曲が収められていたことにいま、改めて驚きますね。ルー・ロウルズがカバーした時、これ50才です。50才の人が歌っても似合う歌が、あの若きマイケル・ジャクソンのアルバムに収められていた。つまり、マイケル・ジャクソンの『Thriller』ですとか『Beat It』『Billie Jean』といった曲目当てで買った若者たちもこの曲を聞いたわけですね。そこから、メロウな底なし沼に入っていった人も少なくないんじゃないでしょうかね。まあ、多くはないかもしれないが、少なくもないんじゃないでしょうか。その1人がここに、マイクに向かっております。

やっぱり、これがね、ポップカルチャーということだと思うんです。『シン・ゴジラ』という映画を怪獣のシーンがあるんじゃないかと思って見に行ったら、「なんだ、別に戦うわけじゃなくて、ゴジラが東京を歩くだけじゃないか」って言った人がいましたけども。やっぱりそこで、もちろんそういうのを目当てに見に行くんだけども、「日本の政治システムって面白いよな」ってどこかを刺激された、そんな少年少女もいるはずなんですよね。これがポップカルチャーという器の面白みじゃないかなと思って、僕もその一端で仕事をしているわけなんですけどね。いまになってこそ、そういうことを感じるわけで、ロッド・テンパートンという人の人生に思いを馳せたことなんてずっとなかったんですが。ロッド・テンパートンの眼差しというのは、やっぱり常に、クインシーとかよりもさらに一歩引いているところにいた人なんで、表現として冷徹なぐらい精度が高いですよね。憧れます。

いま、バックで流れておりますハービー・ハンコック(Herbie Hancock)の『Give it All Your Heart』。これはハービーとパトリス・ラッシェン(Patrice Rushen)のデュエットの形態をとっておりますけども、あのハービー・ハンコック。もうジャズ・ジャイアンツの1人ですよ。紛れもなく。あのハービーがロッドにいろんなことを委ねちゃうという、僕がよく使う表現で言うとマニアも唸らせるというのを地で行くロッド・テンパートンのこの仕事ぶり。もちろん大衆的な人気っていうのは申し分ないわけで。本当に才能がある人っていうのはこういう人のことなんだなという風に、今回ロッド・テンパートンについて夢中にならずにはいられない。そんな特集でございます。じゃあ、最後は彼の初心ということで、これで世に出ました。ヒートウェーブの『Too Hot to Handle』という70年代のアルバム。こちらの中から、いまとなってはかわいらしい、でも彼のメロウのツボ全てが詰まっているような、そんな気がする曲を聞いてください。ヒートウェーブで『Sho’nuff Must Be Luv』。

Heatwave『Sho’nuff Must Be Luv』



最後にお届けしたのはロッド・テンパートンがほぼハタチの頃ですね。一説には10代の頃に、全ての曲を書き上げたと言われるヒートウェーブの世界デビューアルバム『Too Hot to Handle』。こちらの中から『Sho’nuff Must Be Luv』でした。

(中略)

さて、楽しい時間ほど早く過ぎてしまうもの。今週もそろそろお別れの時が迫ってまいりました。ということで今週のザ・ナイトキャップ(寝酒ソング)。今夜はルーサー・ヴァンドロス(Luther Vandross)が歌う極上のロッド・テンパートンメロディー。ヒートウェーブのカバーですね。『Always And Forever』をライブバージョンでお届けしながらのお別れです。これはイギリス・ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでのライブなので、まあヒートウェーブというかロッド・テンパートンの地元イギリスです。お客さんの熱狂ぶりたるや、聞きものです。これからお休みになるあなた。どうかメロウな夢を見てくださいね。まだまだお仕事が続くという方。この番組が応援しているのは、あなたです。次回は来月、11月7日(月)夜11時にお会いしましょう。お相手は僕、松尾潔でした。それでは、おやすみなさい。

Luther Vandross『Always And Forever – Royal Albert Hall 1994』



<書き起こしおわり>

高橋芳朗 ハロウィンに聞きたい怪奇ディスコ曲特集

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高橋芳朗さんがTBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』の中で、ハロウィンに聞きたい怪奇ディスコ曲を特集。70年代に流行った曲や、その影響を受けたアイドル楽曲などを紹介していました。



(ジェーン・スー)いや、いまね、「洋楽コラム」って台本には書いてあるんだけど。今日はちょっといろいろあるらしいじゃないですか。

(高橋芳朗)今日はね、その浮ついた心にさらに拍車をかける!

(ジェーン・スー)やめてよ!(笑)。

(高橋芳朗)そういう企画になっております。はい。じゃあ今日のテーマを発表します。ハロウィンに聞きたい、怪奇ディスコ特集!

(ジェーン・スー)ドンドンドンドン!(拍手)。

(高橋芳朗)まあ、ハロウィンに怪奇ディスコを聞こうっていうことなんですけども。「怪奇ディスコって何?」ってさっき言っていましたけども。わかんない?

(ジェーン・スー)ちょっとわかんない。

(高橋芳朗)原点回帰の「回帰」じゃないですよ。怪奇現象の「怪奇」。ホラーの「怪奇」なんですけども。70年代半ばぐらいにディスコブーム、あったじゃないですか。その時にディスコブームの真っ只中に割と日本限定って言ってもいいのかな? 日本限定で流行したディスコミュージックのサブジャンルなんですけども。まあ、ディスコにホラー要素を取り入れた……

(ジェーン・スー)「ワッハッハッハッ」みたいなこと?

(高橋芳朗)そういうことですね。B級感っていうか、C級感。かなりゲテモノ感の強いディスコミュージックで。たぶんいま、僕なんかより一回り上ぐらいですかね? 50代半ばとか60近い人が青春時代に直撃していると思うんですけども。まずはじゃあ、怪奇ディスコの代表的なヒット曲を聞いていただきたいと思います。1975年にリリースされましたホットブラッド(Hot Blood)の『ソウル・ドラキュラ(Soul Dracula)』です。

ホットブラッド『ソウル・ドラキュラ』



(高橋芳朗)怪奇ディスコの原点とも言える曲、ホットブラッドの『ソウル・ドラキュラ』を聞いていただきました。こんなにたっぷり『ソウル・ドラキュラ』を聞く機会もあんまりないと思うんですけども。

(ジェーン・スー)びっくりしました。

(高橋芳朗)堀井さんが割りかし、結構盛り上がって。

(ジェーン・スー)ノリノリでしたね。

(堀井美香)そうですね(笑)。

(高橋芳朗)堀井さん、好きそうですね。

(堀井美香)髪をソバージュにしたいです。イメージで。

(高橋芳朗)時代感覚違うんだけど(笑)。

(ジェーン・スー)よくわからないダンスを1人で踊ってましたよね?

(高橋芳朗)ああ、たしかにね。

(堀井美香)でも、きっとよくわからないダンスだったんじゃないですか? 当時は。

(高橋芳朗)まあ、そういうことだと思います。ドラキュラダンスとか、あったんでしょうかね? で、これが1976年に日本でヒットして、オリコンチャートで7位。40万枚を超えるヒットを記録したそうですよ。で、このヒットを受けて、結構二匹目のドジョウを狙う怪奇ディスコが次々とリリースされたわけなんですけども。ちょっとそんな中から、もう1曲。BGMとして聞いてもらいましょうか。キャプテン・ダックス(Captain Dax)っていうグループの『Dr. Beezar』。これ、日本語タイトルは『ソウル・フランケンシュタイン』っていう(笑)。



(高橋芳朗)後ろでちょっと、フランケンシュタイン感がすでに……

(ジェーン・スー)とりあえず、この『Thriller』でしゃべっているおじいさんみたいなのがシャウトすればいいという。

(高橋芳朗)そうそうそう。そういうことなんですよ。

(ジェーン・スー)『ゴーストバスターズ』は怪奇ディスコじゃないんですか? レイ・パーカー・ジュニア(Ray Parker Jr.)の。



(高橋芳朗)まあ、入れてもいいのかもしれないですけどね。

(ジェーン・スー)もっとこういう、おどろおどろしいことが?

(高橋芳朗)そうですね。たぶんこの頃ね、『オーメン』とか『サスペリア』とか、そういういオカルトブームみたいなのもあったと思うから。そこにちょっとリンクして売れたところもあるんじゃないかと思うんですけども。

(ジェーン・スー)へー。

(高橋芳朗)まあ、こんな程度の曲ですわ(笑)。

(ジェーン・スー)本当にハロウィンでしかかけられないような曲ですね。

(高橋芳朗)まあ、かなりゲテモノ感も強いし、実際にまあ短命に終わった、一時的なブームで終わった怪奇ディスコなんですけども。まあ、軽視されてますよ。でも、日本の歌謡曲。主にアイドルに少なからぬ影響を与えてるんです。まず、その代表例を聞いてもらいましょうか。こちら、どうぞ。



(高橋芳朗)はい。ピンクレディーの1978年の曲で『モンスター』を聞いていただいております。いま、もうジェーン・スーと堀井さんが振りを完コピで再現してくれています。

(ジェーン・スー)ニャニャニャニャニャニャ♪

(高橋芳朗)この後ね、動画をInstagramの方にでも上げようと思いますので。

(ジェーン・スー)ダメだよ、ヨシくん。こんな曲をかけたら……自制がきかなくなるんだから。

(高橋芳朗)やっぱ、あなたさすがですね。ピンクレディーファンを名乗っているだけあって。

(ジェーン・スー)申し訳ないんですけども、振付ビデオは全部持っていますし、復活ライブのDVDも持っていますし……

(堀井美香)つい、立っちゃいましたね。

(高橋芳朗)「つい、立っちゃいました」(笑)。

(ジェーン・スー)「モンスター♪」ですよね。

(高橋芳朗)でも、『モンスター』はやっぱり怪奇ディスコの流れをくんで作られた曲と言えますし、もっと言えばその次のシングル『透明人間』もその流れと言えますね。



(ジェーン・スー)ああー。

(高橋芳朗)もっともっと言えば、その次の次の『カメレオン・アーミー』も。



(ジェーン・スー)『カメレオン・アーミー』。私もそう思った!

(高橋芳朗)「私もそう思った」? 思ったでしょう? もっと言えば、『モンスター』の前の前の『UFO』も。



(ジェーン・スー)ああ、そうか。じゃあ、1人で怪奇ディスコになっていたんだ。

(高橋芳朗)(笑)。まあまあ、そういう風に言ってもいいと思います。

(ジェーン・スー)っていうことは、団塊の世代の人たち、団塊ジュニア。そのへんも全部結局取り込まれているわけですね。

(高橋芳朗)で、続けますね。怪奇ディスコの影響を受けたアイドル曲としては、他にもあります。モーニング娘。から派生したユニット、プッチモニの2001年の曲で『BABY! 恋にKNOCK OUT!』。これ、さっき聞いてもらった『ソウル・ドラキュラ』をモチーフにしているんですね。ちょっと聞いてもらいましょう。

プッチモニ『BABY! 恋にKNOCK OUT!』



(高橋芳朗)というわけで、怪奇ディスコの『ソウル・ドラキュラ』をモチーフにしておりますプッチモニの『BABY! 恋にKNOCK OUT!』を聞いていただきました。

(ジェーン・スー)これ、最初に『ソウル・ドラキュラ』を聞いて、その流れで聞くと「ああ、『モンスター』もそうだし、これもそうだ」って。続けて聞くとわかるね。

(高橋芳朗)そうですね。『ソウル・ドラキュラ』のインストを早回しにしている感じですかね。で、さらに怪奇ディスコオマージュの決定版といえますのが、昨年リリースされましたAKB48の『ハロウィン・ナイト』。

(ジェーン・スー)まあ、ど真ん中の曲ですね。

AKB48『ハロウィン・ナイト』



(高橋芳朗)はい。昨今のハロウィンの盛り上がりに怪奇ディスコをぶつけてきたのがこのAKB48の『ハロウィン・ナイト』です。

(ジェーン・スー)なるほど。

(高橋芳朗)ディスコ歌謡のオマージュだった『恋するフォーチュンクッキー』も含めて、秋元康さんとかの世代のディスコ感がすごい強く反映された曲かなと思いますけどね。で、ちょっと『ソウル・ドラキュラ』とか『ソウル・フランケンシュタイン』とかキワモノっぽい曲ばっかりかけてきたので。CMを挟んで、もうちょっと品位のある怪奇ディスコを聞いてもらいたいと思います。

(CM明け)

(ジェーン・スー)今日はハロウィンに聞きたい怪奇ディスコ特集ということで。

(高橋芳朗)はい。これ、本来の怪奇ディスコの文脈からはちょっと外れている曲なんですけども。非常に怪奇ディスコ的な曲として紹介したいんですが。ジャズコーラスグループのマンハッタン・トランスファー。ご存知ですね。の、『Twilight Zone/ Twilight Tone』という1979年の作品で、これ、アメリカのSFテレビ番組の『トワイライト・ゾーン』のあの不穏なテーマ曲。あれをサンプリングした大ヒットディスコチューンでございます。では、聞いていただきましょう。マンハッタン・トランスファーで『Twilight Zone/ Twilight Tone』。

Manhattan Transfer『Twilight Zone/ Twilight Tone』



(高橋芳朗)はい。これも怪奇ディスコとして聞けるんじゃないかと思います。マンハッタン・トランスファーの1979年の作品『Twilight Zone/ Twilight Tone』を聞いていただきました。で、ホラー要素のあるダンスミュージックとしては、この後もマイケル・ジャクソンの『Thriller』とか。さっきも話に出ました『Ghost Busters』などにつながっていくという感じですかね。まあ、この辺の曲をぜひ、ハロウィンパーティーとかでかけて楽しんでいただけたらなと思います。

(ジェーン・スー)だから意外と怪奇要素っていうものとダンスミュージックは交わりそうで、交わらなそうで。ブームになりそうで、ならなそうで。でも、ずーっと結構並走している感じ、あるってことですね。

(高橋芳朗)たしかにそうかもね。はい。

(ジェーン・スー)意外と、言われてみたらそうだったっていう。あ、意外なのは、堀井さんが意外と怪奇ディスコのノリノリっていうね。

(堀井美香)はい。

(高橋芳朗)じゃあもう、最後に景気づけでもう1回、踊ってもらいましょうか。

(ジェーン・スー)じゃあ、行きましょうか?

(ピンクレディー『モンスター』が流れる)

(高橋芳朗)(笑)

(ジェーン・スー)はい、堀井美香ちゃん、こっち来てー! はい、モンスター♪ あ、どいてください。

(高橋芳朗)はい。ピンクレディーは2人組ですからね。はい。

(ジェーン・スー)これ、あれだよ。これ……

(高橋芳朗)(笑)

(ジェーン・スー)うぉーーー……

(ジェーン・堀井)モンスター♪

ピンクレディー「モンスター」 #生活は踊る #スタジオで踊る #金曜はダンス #TBSラジオ #ジェーンスー #堀井美香

TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」さん(@so954905)が投稿した動画 –


(高橋芳朗)はいはいはい。締めて! 堀井さん、やっぱりこういう時に歩いて席に戻るところがやっぱりすごいですね。

(ジェーン・スー)そうそう。走らない。

(高橋芳朗)(笑)

(堀井美香)ということで高橋さん、ありがとうございました。

(ジェーン・高橋)(笑)

<書き起こしおわり>

RINO・DJ YAS・YOU THE ROCK★『証言』レコーディングを振り返る

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RINO LATINA IIさん、DJ YASさん、YOU THE ROCK★さんがDOMMUNE『LAMP EYE「証言」20周年記念番組 20年目の「証言」』に出演。『証言』制作の契機やレコーディングの際の模様について振り返っていました。


(二木信)ちょうど95年に西麻布イエローで『亜熱帯雨林』があるじゃないですか。その時とかに、すでにかなりの熱気にはなっていると思うんですけども。その前に、『BLACK MONDAY』があったりとか、いろいろな変遷があって。先ほど、始まる前にYASさんともしゃべっていたんですけども。どんどんお客さんとか、オーディエンスとかクラウドが徐々に徐々に、3年、4年、5年と経るごとに……そういう流れの、当時の印象的な変化というか、覚えていることってありますか?

(DJ YAS)結局振り返ると3年、4年の間だったけど、本当に回を追うごとに増えてきているなっていうのを実感したのは93年の『暗夜航路』ぐらいかな?

(RINO)そうだね。最初、「100人集まればいいね」なんて始めたパーティーから、だんだんだんだん、200、300、500……「じゃあ、会場を変えていこうか?」みたいな。ゴールドから今度はイエローに変えて。で、そっからチッタになっていったんだよね。もうちょっとその時に、したたかな。もっとグッズだったりアイテムとか作れる頭があればよかったかな? とも思うんだけども。当時はもうライブをしっかりやって、そこに客を呼ぶっていうことだけにすごいエネルギーを使っていたから。

(二木信)まだ22、3、4で。その周りで言うと、ECDさんはかなり上の世代になりますけども。D.Lさん、DEV LARGEさんがやっぱり自分たちの周りでは歳が上だった方なんですよね。

(DJ YAS)うん。『証言』……ブッダブランド、キングギドラも含めて言えば、年齢的にはそうなるのかな。あとはまあ、K DUB SHINEも……でも、もっと上にはNIPPSとかCQとかDJ MASTERKEYとかは上だと思うし。うん。けど、基本はRINO世代、うちら世代ぐらいが多かったかなっていう。

『証言』制作の契機

(RINO)俺も結構フレンドリーに、いろんな人に歳関係なく突っ込んでいっちゃったタイプだから。あんまり考えなく、「かっこいいものをやれたらいいね」っていう話だけをいつも常にしていて。そしたらある時、『証言』のタイミングで。ちょっといろいろ、みんながフラストレーション溜まっていたんだよね。いろんな事件があったんだよ。なんかね。

(DJ YAS)あったね。

(二木信)いろんな説があるじゃないですか。最近も……

(RINO)そうなの。いや、全部本当なんですよ(笑)。それが全部がひとつになったのが『証言』なの。

(DJ YAS)うん。

(二木信)結構最近も、これはもう公開されている記事だったりするので言っても大丈夫だと思うんですけども。『SWITCH』の「みんなのラップ」特集号でECDさんとYOU THE ROCK★さんが対談をしていて。そこでも、あるひとつの説が出ていたりとかして。その「『証言』のきっかけとなったのは、こういう事件がありました」とか。で、いろんな説があるじゃないですか。で、僕もどこまで触れていい話なのかっていうのがわからないんですけども。それぞれ20年もたっていることなんで、いろんな認識があると思うんですけども。

(RINO)そうだね。一人ひとり違うかもしれない。

(二木信)そうですよね。あの曲の立ち上がる、あの曲に至る契機というか。なにがあの曲を生み出したんだと思いますか?

(DJ YAS)けど、きっかけは、いちばん最初は『下克上』のレコーディングが終わってから。すごく評価を得て、「もう1回、スタジオ入りなよ」ってスタジオに入ったの。



で、そこでRINOと2人で、「じゃあ、なにかやろうか?」って。その時はまだタイトルも何も決めていないんだよ。トラックも何も決めていないんだけど、いろいろトラックを流している時にあの『証言』のビートを流したタイミングでRINOが「これで行こう!」って言ったのがことの始まり。

(RINO)当時、CAVEでみんな、ライブが……もう毎週金曜日、土曜日はだいたい同じメンツでライブをひたすたしていて。もうライターもつかないような状態で。で、そのいつも通りの日に廊下ですれ違う順番に「『証言』っていう曲をやりたいんだけど。俺が一番目をやるから、その後に参加してくれないか?」って1人ずつ口説いたのはいまでも覚えているんだけど。それでみんなも「ああ、やろうよ!」っていう。「いまのこのシーンに対する不満をぶつけたいんだ!」っていうことをみんなに言って。

(DJ YAS)それは大きいっていうか、あったよね。

(二木信)じゃあやっぱり、いまのシーンに対する『MASS対CORE』じゃないですけど、そういうような、コアからマスに対する気持ちっていうものは、やっぱりコンセプトとして、RINOさんから参加するラッパーに伝えてはいたということなんですね?



(RINO)はい。

(DJ YAS)はい。ちょうどそういう風に、みんなそれぞれそれを思っていた時だったから。なんかすごく、それがひとつのエネルギーになったのかな?って俺は、後から振り返ると……

(RINO)なんかもう本当に底上げしたかったっていうか。もう自分たちは行ける準備はできているんだけど、まだステージが変わっていないっていうか。世界を、見る景色を変えよう! みたいな。自分たちが、たとえば5組呼ぶとこれぐらいの予算だよねっていう、その予算も何も、枠組みを1回変えちゃおう! みたいな、そういう時期が来ていたから。たぶん、いろいろと。肌で感じていて。その不相応な扱いにたぶん不満がすごく……もっと見たいっていうリスナーとか、ライブに来たいっていうヘッズが多い中で。(パーティーを)平日から週末まで持っていける革命がまず1回起こって、その後にまた、その次なのかな? わからないけど。

(DJ YAS)ちょっと関係はあるかわからないけど、やっぱり『MASS対CORE』っていう曲が俺の中ではすごく大きくあって。そういうマスに対する回答みたいな。だけど、視点は全然違うんだけど、『証言』もそういうものがくすぶっているっていうか、持っていったところ。やっぱりあの曲でみんな、吐き出しているなっていうのはすごく感じていたし。熱気も、さっき映像を見たけど、すごくやっぱり、そういう時期だったなっていうのをさっき思い返していたけど。

(二木信)しかも、この7インチ化に合わせて、YASさんが自宅からオープンリールが見つかったっていう……

(DJ YAS)もう前からあるのは知っていたんだけど、立ち上げる機会がなかったから。それを扱えるスタジオもあんまいまはないからね。寝かしていたまんまだったんだけど、どうしてもいろいろと用があって、それを立ち上げたい。なにが入っているんだろう?って。まあ、『証言』が入っているのはわかるんだけど、実際にそれを使えるスタジオを見つけて入ったら、ファーストテイク、セカンドテイクの没テイクだった時のマスターだったということで。

(RINO)たぶん俺、そっちの方がよかったりするんだよね(笑)。

(DJ YAS)(笑)。もうね、その時の映像もちょっと残っていて。さっき俺、ドキドキしちゃったんだけど。

(二木信)見てみます?

(DJ YAS)ちょっと見てみたいね。

(二木信)見ましょうか。実は、『証言』のレコーディング風景。みなさんのラップを本当に順番で撮られている映像がありまして。

(RINO)いやー、恥ずかしいね。なんかね。

(二木信)それが素晴らしい映像で。これをまず、ちょっと見てもらいましょうか。

『証言』レコーディング風景


(一同)(拍手)

(二木信)という映像でした。実は、急遽いま現れていただいた、YOU THE ROCK★さんが着てくれました。

(YOU THE ROCK★)遅くなりました。よろしくお願いします。お世話になります。

(二木信)いまの、覚えてらっしゃいますか? まず、この日のレコーディングのことを。

(RINO)あの、できれば最後に歌いたかったなと思うぐらい。俺が最初に録ってから……『証言』は順番通りには当日録っていなかったんだけど。もう、次のアーティスト、次のアーティストって入るたびにそのボーカルブースの温度がどんどん上がっていって。で、いまみたいに器用にひとつのマイクで次々みんながガヤをかぶせたりとかじゃく、ガヤの場合はひとつのマイクでみんな集まって録るから。その熱がどんどん上がっていった。上昇気流がどんどん。

(YOU THE ROCK★)人が入れれば……だからRINOがいちばん最初にやると、その次にやるやつがまたメートルが上がって、さらに上がっていくから。すごいクオリティーっていうか、もっと上がっていくんだよね。ケミストリーが行われて。刺激が響き合っちゃうっていうか。だから、いちばん後ろの人たちとか、かわいそうだよね。だからコンちゃん(DEV LARGE)とかすっごい直すんだよね。みんなのバースを聞いて、自分が負けたくないからどんどんブラッシュアップしていくっていうか。まあ、職人気質な人だから。俺なんか、証言2(番目)なのに6番目に録っているからね。その歌詞が、ヨシピー(GAMA)が言っていることだよね。「4、5、6でなきゃ それじゃ泣いちゃう」って。

(RINO)あれは自分がレコーディング中に「時間がない! 書けないぞ、このままじゃ!」みたいに追い込んでいたっていう……

(YOU THE ROCK★)あいつ、こんなんなっててさ(笑)。俺もあれ、いまの(レコーディング)映像は見れてないけども。フロウ、固まってなかったでしょ? 「テメー」のところとか、もうちょっと長いんだよね。なんかね。

(DJ YAS)いや、そんな大きくは変わってないけどね。

(YOU THE ROCK★)本当?

(DJ YAS)見ておけばよかったね。

(YOU THE ROCK★)見ておけばよかったけど。ちょっと渋谷で用事があったんで。急いで来ました。

(二木信)YASさんの記憶によると全部で4回だったっていうことを……

(DJ YAS)あのね、4回目っていうのはCD用のテイクを、RINOが入ったのが4回目だったなっていう。だから、全員で入ったのは3回だったと思うけどね。8月、10月、12月っていう。毎回、場所が変わって。そういう感じ。

(二木信)それに、もうYASさんは全てラッパーのみんなの録りにもかならず?

(DJ YAS)もちろん。みんな全員いたんで。誰かがこれないっていうのが1人、1ヶ所であった……10月はね、1人来てなかったりとかしてたんだけど。8月、12月は全員揃っていたかな。

(二木信)この『証言』っていう曲はどういうフラストレーションだったりとか、なにに対してのメッセージなんだろうか?っていう話をさっき、少ししていたんですけど。それこそ、YOU THE ROCK★さんが『SWITCH』の「みんなのラップ」特集でECDさんと話されていることがあったりとか。まあ、たぶんそれぞれ歴史認識は違うと思うんですけど。YOU THE ROCK★さんが考えるあの曲のこの熱量の発端というか……なにが起爆剤になったといま、考えますか?

(YOU THE ROCK★)この件に関しては、日本語ラップはとにかく掘り下げることがすごく好きじゃん? その、『さんぴんCAMP』のTWIGYの問題とか、いろんなのとか。俺、そういうの全然興味がなくて。で、『証言』の誰々がどうなって、どうしてああいうことになったか?っていうのなんて、俺は原因とも全然思っていなくて。ただ、俺たちのラップの力っていうのをここでやっと出せるんだ! みたいな。たしかに、敵なる、仮想的じゃない敵もいたんだけど……やっと俺らで力を見せられる!っていう、なんかダムが決壊した瞬間っていうか。

(RINO)そうだね。

(YOU THE ROCK★)俺はそう思ってるんだよ。YASがそれを感じ取ってパッケージングしたっていうか。だから、さっきのスタジオの録音の話があるけど、いままではずっと遊び友達だったり、幼馴染だからヒップホップが好きだっていう感じで付き合っているんだけど、YASの背中を見ながらレコーディングをして。「YASが本当に仕事している。なにをやろうとしているんだろう?」っていうところがあのレコーディングではすごく印象に残っていて。ひたすら卓の前でずーっと仕事しているYASがいて。俺たちは録りが終わったら遊んでいて。「パト! そこ、灰皿じゃねえぞ! 絨毯だぞ!」みたいに言ったのを覚えているの。「やっとここに入れたんだぞ!」みたいになって。

気が抜けないレコーディング

(DJ YAS)けど、やっぱり7人ラッパーがいるでしょう? みんな本気になるの。レコーディングの時は。それが順番もずっと続くから。こっちは気を抜けないみたいな状態ではいたかもしれない。

(YOU THE ROCK★)集中してたね。

(RINO)当時、グループとグループを超えるとそれなりにやっぱり緊張っていうのが……たぶんね、仲はいいんだけど……みたいな。

(DJ YAS)俺から見たら、すごいいいライバル関係だったんじゃないの?

(YOU THE ROCK★)バッチバチでしょう。あの日だって(笑)。

(二木信)バッチバチですか? やっぱり。

(YOU THE ROCK★)バッチバチだよね。ボーカルブースで録音しているやつをずっとみんなで虎視眈々と見ているっていう。それを見ていて、自分も上がっちゃうっていうか。

(DJ YAS)あの流れは『BLACK MONDAY』の延長線だよね。

(YOU THE ROCK★)で、もっと言うとPro Toolsがない時代だから、そのおかげでああいう作品ができたっていうか。Pro Toolsがあったらもうポテトチップスみたいに薄くなっていたと思うから。『BLACK MONDAY』もみんなで列になって、一人ひとりバースを……録ったらこうやって、録ったらこうやってって、やっていったよね。



(DJ YAS)ユウちゃんのアルバムのね。

(YOU THE ROCK★)マイクを吊るしてさ。

(RINO)そうだね。そういうのが色々あったからね。

(YOU THE ROCK★)手作りだったね。

(DJ YAS)たしかにPro Toolsがなかったっていうのは逆に大きかったかもしれない。だって、テープもったいないし……みたいな。

(YOU THE ROCK★)録り直しできないし。

(RINO)無駄が多いけどね。でも、その分こういうものができたのかな?っていうね。

(DJ YAS)さっき言ったようにオープンリールだから。あんなデカいものが、マスターテープ何万円もするもの。10何分しか録れないものだし。もう、だからそういうこともすごく心配材料にはあったから。

(YOU THE ROCK★)だから切り直しとか録り直しができない分、すごく待っているんだよね。二郎のラーメンに並んでいる人たちみたいに。「早く食えよ!」みたいな。「早く録れよ!」みたいな。そこで、ヨシピーとかがトチっちゃうともうそれが伝染するのさ。自分にも影響が来るのさ。噛み噛みになっちゃったりして。ああいう難しさって、あったよね。当時ね。

(二木信)曲が最後にできあがって、みんなのバースが完璧な最終バージョンとなって世に出ていくわけじゃないですか。96年に。その時に、これほどまでのクラシックになるっていうか……手応えはあったと思うんですけどどういう……反響にはやっぱり驚きでしたか? 『証言』に対するリスナーとかヘッズとかからの反応っていうものは。

(DJ YAS)ライブはね、もう95年からやっていたの。で、回を重ねるごとに。ユウちゃんの番組とかでもかかったりしているたびに反響がすごくあった曲で。当時から。それは直に聞こえる声でそういう声は聞こえていたんだけど。まあ本当に、20年たったいま、またこうやって(アナログを)出せるっていうのはありがたい話だなって思うけども。

(YOU THE ROCK★)いや、すごいよ(笑)。この番組自体がすごいと思っているし、この話し合いがすごいよね。20年たったんだよね。RINOね。21年でしょう? 少年だったけど、いま俺ら中年だからね。もう、本当に。すごい曲だよね。だからね。自分たちでも、ここまでになるとは思わなかったっていうか。自信はあったよ。

(DJ YAS)ああ、それはあった。

<書き起こしおわり>
高木完 LAMP EYE『下克上』『証言』を振り返る
高木完さんがDOMMUNE『LAMP EYE「証言」20周年記念番組 20年目の「証言」』に出演。RINO LATINA IIさん、DJ YASさん、YOU THE ROCK★さん...

高木完 LAMP EYE『下克上』『証言』を振り返る

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高木完さんがDOMMUNE『LAMP EYE「証言」20周年記念番組 20年目の「証言」』に出演。RINO LATINA IIさん、DJ YASさん、YOU THE ROCK★さんらと、VORTEXレーベルからLAMP EYE『下克上』をリリースした際の模様などを話していました。

(二木信)ちょっとここで、新たな証言者に登場していただきたいんですけども。よろしいでしょうか? 高木完さんが今日、会場にいらっしゃっています。高木完さん、よろしくお願いします。

(YOU THE ROCK★)東京国際映画祭から、レッドカーペットからこちらのDOMMUNEに来ていただきました。(高木完着用のECD応援Tシャツを見て)ECD、がんばれ! 俺、Lサイズなんでまだ届いてません(笑)。


(高木完)KENSAWもね……

(YOU THE ROCK★)はい。昨日まで頭、おかしくなってました。まだ、ちょっとアレなんですけども。元気出してがんばります!

(二木信)完さんはLAMP EYEの『下克上』をVORTEXから出す時にRINOさんに「うちらのレーベル第一弾で出して」ということで、プロデュースされたということですよね?

VORTEXレーベル 第一弾アーティストLAMP EYE

(高木完)それはさ、最初に芝浦GOLDであった『浅ヤン』ってテレビ番組のラップの……

(YOU THE ROCK★)コンテストがあって。

(高木完)番組で雷が……その時、雷っていう名前だったかどうか。

(YOU THE ROCK★)雷でしたね。

(高木完)で、みんなストッキングをかぶって何十人も出ていた中で、誰が誰か全然わかんないんだけど、1人聞いたことがない声ですっごい子がいて。「だ、誰なんだ、あれは?」っつって。俺はその時、(ストッキングを脱いで)わかっていたのはユウちゃんとTWIGYだけだったんで。「あの人、誰?」「知らないんすか?」みたいな感じで言われて(笑)。それがRINOだったんですけども。「あっ、この子がそうか!」って。で、あの当時さ、『Remix Magazine』でユウちゃんが連載していたのかな? DEV LARGEが連載していたのかな? なんか、ヒップホップのページ、あったよね?

(YOU THE ROCK★)ありましたよね。『Remix Magazine』。

(高木完)アイちゃんの隣がラップのページかなんかで……誰が書いていたのかな? あ、TWIGYが書いていたのか? で、それをよく読んでいたわけよ。で、「『BLACK MONDAY』、すげーな! 熱いな!」って思っていて。それでRINOの名前も書いてあって。LAMP EYEって最初、そこで読んだのかな? で、「変わった名前で面白えな!」って思っていて。で、あれ? 『MASS対CORE』はその後だっけ?

(YOU THE ROCK★)『MASS対CORE』は94年です。



(高木完)雷の前?

(YOU THE ROCK★)前なんです。

(高木完)『MASS対CORE』をやってから、ラップコンテストだっけ? 違うよね?

(YOU THE ROCK★)ええと、『MASS対CORE』が94年に録音されたんですけど、94年には『BLACK MONDAY』が1年間行われているんですよ。だから、同時進行で。で、95年の春に『MASS対CORE』がリリースされてヒットするんですけど、そのぐらいにLAMP EYEでレコーディングをVORTEXでやって。

(高木完)まあ、とにかくLAMP EYEっていうかRINOくんの名前をそこで知って。「すっごい子がいるな! なに? このいままでにないフロウ」って。その時、「フロウ」っていう言葉はあまり使っていなかったけど。スタイルと、声だから。

(YOU THE ROCK★)はい。フリーキーでしたからね。

(高木完)すっげえな!ってことになって。で、たまたまVORTEXっていうのはその頃、渋谷のCAVEっていうクラブがオーナーが変わって。それまではテクノの店だったんだけど、ちょっとヒップホップとかレアグルーヴっぽい感じで……アシッドジャズっていうのもまだその頃は使っていたけど。「それっぽい感じのイベントを増やしたいから、完ちゃん、ちょっとオーガナイズで一緒に入ってくれないか?」って言われて。

(YOU THE ROCK★)よく遊ばせてもらっていました。

(高木完)オクイさっていう。もういまは亡き。オクイさんに誘われて。で、そしたら「レコードのレーベルもこのCAVE発でやるのはどうだろうか?」みたいな話があって。で、「いいじゃないですか! ぜひ、やりましょうよ」「じゃあ、第一弾は何にする?」っつって、「いや、LAMP EYEしかいないっしょ!」みたいな話になって。で、最初ね、おかしいのは日テレの番組でカトちゃん……加藤茶さんのさ(笑)。覚えている? CAVEから中継っつって(笑)。

(YOU THE ROCK★)超覚えている! 『ミヨちゃんラップ』かなんかやったんすよね(笑)。

(高木完)『カトちゃんラップ』だよ。加藤茶さんと、あと……

(RINO)久本雅美?

(高木完)そうだ! 久本さんは知っているからまだいいんだけど、加藤さんは俺、あんま認識がなかったから……

(YOU THE ROCK★)すっげー怖いの、カトちゃん(笑)。

(高木完)そう! 怖かったよね!

本当は怖い 加藤茶

(YOU THE ROCK★)本物のカトちゃん! 本物のカトちゃん、超ヤバいの!

(高木完)怖いんだよね。で、カトちゃん、ラップのことをしゃべっていて。で、俺がちょっと「違うな……」っていう顔をしちゃったんだよね。したら、「お前、俺のことバカにしてんだろ?」っていきなりバシッて叩かれて(笑)。「いや、してないっす、してないっす! すっごい子供の頃、ファンだったのに……」とか言って(笑)。

(YOU THE ROCK★)いや、俺もうあの日からもう見方変わったし。すっげー怖え! こっちじゃん! みたいな感じで。

(高木完)で、最後はでもCAVEからLAMP EYEがライブをやったんだよ。

(YOU THE ROCK★)なんとか着地して……っていう。

(高木完)セーフ!

(YOU THE ROCK★)ギリ着ですよ。でも(笑)。あれ、空気不穏になってましたよ(笑)。あれ、すっげーヤバかった。

(高木完)そう。怖かったよ!

(YOU THE ROCK★)「芸能界の裏を見た!」みたいに思ったもん。

(高木完)表だったんですけどね(笑)。

(YOU THE ROCK★)表だった(笑)。本当に。ありましたよね。


(高木完)そういう話です。そういう流れ。VORTEXはもうLAMP EYEをガーン!って。一押しです!っていう感じでさ。カクライジュンとかとみんなで。

(二木信)で、マキシシングルの中の『下克上』が、完さんがプロデュースしたっていう……

(高木完)プロデュースっていうかYASくんが作ったトラックで。そこになんか俺は味付けのネタをちょこちょこって入れていたぐらいで。

(DJ YAS)入れてもらいましたね。本当、流れで言うと、僕が言っていいのかな? RINOくんにすごく完さんは……まあ、俺らの中でスターだから。で、白羽の矢が立ってレコーディングデビューしようと。で、RINOが「うちら、トラックメイカーがいます」と。で、俺をプッシュしてくれて。で、曲を。完さんは本当、大人の対処で。「じゃあここは見守ってやる」っていう話になって、レコーディングに進まれたっていう話です。だから本当、2人のおかげで僕はその時に曲を発表できたっていう話で。

(二木信)そのVORTEXでLAMP EYEをデビューさせて、『証言』になっていくじゃないですか。

(高木完)『証言』はだってもうVORTEXが5、6枚出してさ、もう終わっちゃった後だよね。

(DJ YAS)『証言』はVORTEXで『下克上』を出した後に、「なんかまた出そう」っていう形で最初、入ったんですよ。VORTEX仕切りで。1回目のレコーディング。

(高木完)あ、そうだったんだっけ? だってジュンとかマキくんとかがディレクションしてなかった?

(DJ YAS)ええと、ジュンさんですね。で、ちょっとまあいろいろ話のすれ違いがあって。結局、「じゃあウチら、自主でやろう」みたいな話になって。それでちょっとVORTEXからじゃなくなっちゃったんですよ。で、「自主でやるんだったらとりあえずレーベル名をつけよう。なにがいいか?」「『えん突つレコーディング』って名前をつけよう」っつって出したんですよ。それが96年。

(高木完)センスがいいよね。その時、でもあれでしょ? ECDがお金をバーン!って貸したんでしょ? すごいよね、ECD。

ECDが『証言』制作費を貸す

(YOU THE ROCK★)すごい。もう石田さんいないと『証言』は成り立たないんですよ。

(DJ YAS)まあ、スタジオに入るのにも、いまよりも高かったから……

(二木信)これ、どこのスタジオですか?

(DJ YAS)最初が……

(YOU THE ROCK★)ポリスター。

(DJ YAS)あれはね、さっき言ったVORTEX仕切りで取ったスタジオだから一円も
出してないんだけども。

(YOU THE ROCK★)目黒川沿いのね。池尻にあった。

(DJ YAS)10月がテレ朝通り沿いにあったマグネットスタジオ。

(高木完)あったあった。

(DJ YAS)12月が新宿でやったバズーカ。それが最終だったんだけど。そこは完全にもう自分たちでやるっていう流れでスタジオを10何万、20万かかるっていうから。ちょっといろいろかけると50万、100万必要だろうと。

(YOU THE ROCK★)100だったよね。

(DJ YAS)「これ、どうしようか?」っつったら、ちょうどYOU THE ROCK★とかG.K.MARYANとかDEV LARGEとかが石田さんとすごくコンタクトを取っている時で。その話を言ってくれて。

(高木完)カッティング・エッジで『さんぴん』とかやっていた頃だよね?

(DJ YAS)そういう時期ですね。

(高木完)今日ね、本根くんもいるけど。

(DJ YAS)それで、貸してくれると。

(YOU THE ROCK★)普通貸してくれないよ!

(高木完)「貸す」っていうよりも、「あげた」に近いと思うよ。「貸す」じゃないよね。ECDは「返さなくてもいいよ」ぐらいだったと思う。

(DJ YAS)まあ、いま思うとそうだったかもしれないけど、こっちはそんな何十万っていう大金を託されることなんて、まだ人生の中でなかったから。「これは、借りたものとしては返さなきゃいけない」っていうのは……

(YOU THE ROCK★)すっごいよ。

(高木完)返せたんですか? それで。

(DJ YAS)返しましたよ。『さんぴんCAMP』の日に返しました。

(YOU THE ROCK★)『さんぴんCAMP』の日に返したんだよね。そん時、出始めのさ、デジカメ。高いやつを買ってさ。利息としてYASがプレゼントしたんだよね。

(高木完)そんないい話もあるのか!

(YOU THE ROCK★)ここ、言っていいよね?

(高木完)言った方がいいよ。ECD、見てるかな? いまごろ。

(YOU THE ROCK★)「YAS、すげー律儀!」って思ったもん。

(DJ YAS)いやいや、けど石田さんは「あの現場に大金を持ってこられても困る……」っていう話を後から聞いたんだけど(笑)。

(高木完)そうなんだ(笑)。

(DJ YAS)「もうちょっとプライベートなところで大金を渡せ」っていう話だったけど(笑)。ちょっと表舞台すぎちゃって。

(YOU THE ROCK★)子供だからね(笑)。

(DJ YAS)子供だから。もう、こっちは返す勢いで乗り込んでいっちゃった。

(高木完)なるほどね。すごい、いい話ですよ。

(二木信)完さんは『証言』を出した以降のLAMP EYE・雷をどう見ていました?

(高木完)その頃、どうだったんだっけ? 僕、たぶんね、もうCAVEがさ、みんなHARLEMの方にスタッフが行ったんだよね。結構。その時期でしょう?

(DJ YAS)そうですね。

(高木完)でさ、裏話しすぎちゃうから、あんまり話してもしょうがない話になるんだけど(笑)。で、俺はちょっとCAVEの方に残っていろいろやっていたんだよね。オクイさんたちと。でもみんなHARLEMの方に。バーンと始めて。

(YOU THE ROCK★)YASもずっとレギュラーをCAVEでやってたもんね。

(高木完)そうそう。

(DJ YAS)要は、その一連の流れに俺が当時、もうとんがっていたから。そこで1回、CAVE出禁になっちゃったの。なんだけど、結婚を機にオクイさんと和解して、「CAVEでパーティーを始めてくれ」って始まったのが『TIGHT』だったの。で、その時の土曜日を帯でやっていたのが完さんで。で、俺は金曜日を託されて。98年の1年間だけ、『TIGHT』をそこでスタートして。いまも続くパーティーなんだけど。もう、それ以外のDJとかメインのスタッフの人とかはもう、HARLEMの方に行っちゃっていたから。

(YOU THE ROCK★)そうだね。マキさんとかも、そうだね。

(DJ YAS)もうDJがゴソッと抜けちゃって。完さんが残って、あとマサミさんも入ってきて……とか。うちは金曜日。

(高木完)僕はね、そう。オクイさんが、ちょっと寂しそうだったから残ったの(笑)。

(YOU THE ROCK★)大人だね!

(二木信)でも、また話を戻しちゃいますけども。完さん、LAMP EYEをデビューさせるっていうとちょっと言い方が……

(高木完)「させる」っていうことまでじゃないんですけどね。「出したい」っていう。出してさ、このかっこいいグループと一緒になにかやりたいっていう気持ちですよ。どっちかっていうと、ミーハーな(笑)。

(二木信)その後、『証言』とかでまたさらに大きくなっていくわけじゃないですか。LAMP EYE、雷が。そういうのはどういうい風に見ていました?

(高木完)いや、それはもう、このプロモーションビデオを見た時に「うわっ、すっごいもん作っているな!」と思って。また全員キャラクターがさ、どんどん変わっていくのがすごくて。あれ、テレビで見たのかな? 「すごいな!」と思って。だから、それから数年間はみんながボワッ!っと盛り上がっていたから、普通に一オーディエンスの気持ちで見ていましたけどね。で、その後にRINOくんとかがまたソロでやる時にいろいろ、ちょっとね。あれはなんだっけな? レーベル。忘れちゃった。

(RINO)モノホンレーベル。

(高木完)モノホン(笑)。そういうのも一緒に、ちょっと最初はね。モノホンすぎましたね(笑)。いろいろありすぎてさ、そういうの、あんまり話せないよね(笑)。

(YOU THE ROCK★)すごい、ありすぎて(笑)。

(高木完)マジ(笑)。大丈夫なんですよ。でも、みんなすごいいい仲間だから。ずっと(笑)。

(YOU THE ROCK★)本当に(笑)。親戚のおじさんみたいにね。みんな、そういう付き合いだから。本気で。

(高木完)本当、本当。

(YOU THE ROCK★)本気でそうだからね。家族。

(二木信)そうですよね。2000年……いま、だから『フリースタイルダンジョン』が盛り上がって、『高校生ラップ選手権』があってっていう。2000年以降にラップを好きになった人って過去を振り返った時にRINOさん、LAMP EYE、YOU THE ROCK★さんっつって。で、高木完さんがいて、高木完さんがRINOさんのいちばん最初のLAMP EYEを出しているっていうのは、結構驚きの事実っていうか。振り返ってみると……たぶん、ある世代より上になると結構意外に……

(高木完)そっかそっか。でもさ、『MASS対CORE』のビートも作ってるしね。

(YOU THE ROCK★)そうです。『MASS対CORE』も。

(高木完)あれも、「かっこいいな!」と思って。「すぐ作ろう!」と思って。別に考えているっていうか、その時その時に「いいな!」と思ったのをやりたいだけなんだよね(笑)。

(YOU THE ROCK★)でも本当、俺にしてみれば全てラッキーで。奇跡みたいで。完さんにトラック作ってもらって、石田さんとTWIGYと曲をやって、売れるなんて。もう、夢みたいで。

(高木完)あれ、結構売れていたよね。

(YOU THE ROCK★)いや、俺なんか『BLACK MONDAY』が94年で終わって、ふてくされて。全国どっか、旅に行っちゃったんだよね。覚えている? それで帰ってきたら全然違うことになっていて。RINOはデビューしているし、自分が出した曲は売れているし。もう、忘れ去られていると思ったら、そっから始まって。だから『さんぴん』元年っていうのは本当は95年なんですよ。そこから、アルバムのレコーディングに入ったり、『証言』の録りが入って。その次の年に『さんぴん』だから。もう準備はその前の年から始まっていたんですよね。だから、94年、3年ぐらいからブワーッと、ウィルスが一気に倍増していくんだけど。

(DJ YAS)風が吹き始めた。

(高木完)このへんのユウちゃんとかYASくんとかRINOくんたち。TWIGYとかも含めてみんな、あのワサワサした感じ、俺結構感じ取ってはいて。ファンだったんだよね。結構。「うわっ、すっげー面白そう!」みたいな。「いい感じじゃん!」って思って。『悪名』だよ。『悪名』っていうアルバム、あったよね?

(YOU THE ROCK★)テラピーが萩谷くんとかと作った。『悪名』はすごい大事な……

コンピレーション『悪名』



(高木完)モクモクしてたもん。あのアルバム。

(YOU THE ROCK★)もう、ジャケから悪い(笑)。

(高木完)ジャケから悪いよ(笑)。

(RINO)いや、デザインしたやつが悪い(笑)。

(YOU THE ROCK★)パトだもん(笑)。

(高木完)パトだからね。なんだかわからない感じがさ。「なに? このグニャグニャした感じ?」って(笑)。

(二木信)その当時の、96年の『鬼だまり』の映像が実はあるんですよね。これは実はYouTubeに上がっている映像なんですけど。ちょっとこれ、当時の雰囲気がすごい……これって96年の大晦日ですか?

1996年『鬼だまり』



(二木信)実はこれ、『証言』をやっている映像もあるんですよ。『鬼だまり』の同じ96年の。なので、そっちのも……

(DJ YAS)1回あるよね。全員揃ったのね。

(YOU THE ROCK★)いやー、キレッキレだよ、RINO。かっこいいよ!

(RINO)これをこの間、春ぐらいかな? オジロのMACCHOと会って。「たまにこれを見て、アガってます」っていう。

(高木完)96年ですか。全然、なんかいまだよね。

(YOU THE ROCK★)いまでもばっちりな。

(高木完)なんか古いとか、新しいとかそういうことじゃなくて、時代が……

(YOU THE ROCK★)時代が1周しましたよね。いま、すごかった。RINO。乗せ方もさ、いまと違うじゃん。俺はわかるじゃん。

(RINO)俺、この時は誰も歌えないリリックばっかりやっていた。カラオケ向きじゃなかったですね。

(YOU THE ROCK★)かっこいいじゃん!

(高木完)でもさ、「カラオケ向きのラップってどうなんだろうね?」って思うよね(笑)。

(YOU THE ROCK★)そうっすよね(笑)。

(高木完)いや、エミネム(Eminem)とかできねーじゃん? カラオケで絶対(笑)。

(YOU THE ROCK★)やってるかもしんないですよ。向こうの人。たぶん、いるいる。

(二木信)あと、実はまだ見ていなくて、これを見たら面白いんじゃないか?っていうのが、RINOさんの『証言』のPV撮影のメイキングの映像があるんですよ。実は。これはちょっと後で見ようかと思うんですけども。さっき、YASさんがチェックしています。

(サイプレス上野 アコムのCMが画面に流れる)


(YOU THE ROCK★)なんだよ、このサ上のCM(笑)。

(高木完)(笑)

(YOU THE ROCK★)なにがカードローンだよ(笑)。

(高木完)CM出てる(笑)。

(YOU THE ROCK★)すっごいよ! アコムとかって(笑)。



(高木完)すごいねー。だから、やっぱりさっきユウちゃんも言っていたけど、歌詞の意味とかじゃなくて、ああいう怒りっていうのがみんなに伝わって。「俺も頭に来ていることがあるんだ!」っていうのがオーディエンスみんなが、一気に固まってバーン!って来た感じがあるよね。

(YOU THE ROCK★)はい。ひとつになった感じが。

(高木完)意味とかじゃないんだよね。みんなの中にフツフツとあった……

(YOU THE ROCK★)現象がもう具現化したっていうか。魂がぶつかりあって。

(高木完)思いがね、お客さんたちも。

(RINO)最初に言っていた「バンバン!」のことを全部説明してもらえてよかったです。

(YOU THE ROCK★)もう、すっごいもん。動きとかも、すごいもん。

(二木信)実はまだゲストがこの後、いらっしゃいまして。NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのMACKA-CHINさん……あ、代わってもらいますか。じゃあ、高木完さん、ありがとうございました!

(高木完)ありがとうございます!

(YOU THE ROCK★)完さん、ありがとうございます! お疲れ様です!

<書き起こしおわり>

RINO・DJ YAS・YOU THE ROCK★『証言』レコーディングを振り返る
RINO LATINA IIさん、DJ YASさん、YOU THE ROCK★さんがDOMMUNE『LAMP EYE「証言」20周年記念番組 20年目の「証言」』に出演。『証言』制...
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